20世紀・シネマ・パラダ
イス
◆ 実話を基にした戦争アクション映画の傑作
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これは実話である。人物や時と場所に多少の脚色はあるが、脱走の手順は細部に
わたり事実を描いている。 |
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第2次世界大戦の最中。ドイツ空軍の第3捕虜収容所に約250名の捕虜たち (ほとんどが英国空軍) が搬送されて来た。その中で先任将校のラ
ムゼイ大佐は連絡係を命じられ、収容所所長のルーゲル大佐から、当所は脱走の常
習犯のために新設された収容所であり、脱走は不可能だと釘を刺された。 |
収容されて早々に脱走を試みる者もいた。収容所の外に作業へ行くロシアの捕虜たちに紛れ込
む者、トラックの荷台に隠れる者…。しかし、全員が看守に見つかってしまった。 |
ヒルツ大尉 (米陸軍航空隊) は、監視塔と
監視塔の中間が死角だと気付き、その事を確かめるために立ち入り禁止区域に入り、威嚇射撃を受けた。ヒルツは駆けつけて来たルーゲル所長を挑発し、20日
間の独房入りを命じられた。また、所長の発言を茶化したアイヴス中尉も同じく独房入りとなっ
た。 |
数時間後、脱走指南役の ‟ビッグX” ことバー
トレット少佐が搬送されて来た。脱走を指揮した容疑でゲシュタポに取り調べを受けていたが、証拠が見つからずに移送されて来たのだった。 |
バートレットの任務は捕虜を脱走させ、敵軍の後方をかく乱させることである。その夜、バー
トレットはX (脱走)組の各分野のプロフェッショナルを集め、3本のトンネルを掘って、250名を脱走
させると宣言した。 |
ヘンドリー大尉がツルハシを調
達し、ダニー大尉がトンネルを掘り始めた。3つのトンネンルは、‟トム”、‟ハリー”、
‟ディック” と名付けられた。
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バートレットたちが大脱走の準備を進めている中、ヒルツとアイヴスが鉄条網の死角からトン
ネルを掘って脱走を試みたが、失敗して再び独房に入れられた。
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エリック少佐(英海軍航空隊)
が、掘り出した土を外へ運び出す方法を考案した。
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セジウィック中尉が、トンネル
に空気を送るポンプを製造した。ヘンドリーが看守の財布を盗み、その中に入っていた身分証明書等を元に、コリ
ン大尉が偽造書類を作成した。
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ヒルツが独房から解放されると、バートレットとマッ
ク大尉が会いに来た。2人は、ヒルツが7月7日に再び脱走を試みることを確認すると、最寄り駅までの経路等、収容所付近の状況を調べた上で
捕まり、戻って来て欲しいと異例の要求をしてきたが、ヒルツはもちろん断った。
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ダニーとウィリー大尉が進めて
いるトンネル掘りは、度重なる落盤事故で計画通りには進捗していなかった。バートレットは、‟ハリー” と ‟ディック” を中止して、‟トム”
に集中する決断を下した。
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その頃、米国人のヒルツ、ヘンドリー、ゴフ中
尉は、大量のイモを買い入れ、イモ焼酎を密造していた。
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7月4日の朝。3人の米国人は無料でイモ焼酎を振る舞い、アメリカの独立記念日を祝った。
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捕虜たちが外で酒盛りをしている間、看守たちが宿舎内の査察を行い、‟トム”
が発見されてしまった。
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3年に及ぶ収容所生活と、その間の度重なる脱走の失敗で精神的に参っていたアイヴスは、茫
然自失してしまい、鉄条網を登り始めた。異変に気づいたヒルツが駆け出したが間に合わず、アイヴスは射殺されてしまった。
ヒルツは意を決し、バートレットに告げた。「欲しい情報を言ってくれ。今夜脱走する 」。
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ヒルツが脱走し、ダニーとウィリーは ‟ハリー”
に全力を投入し始めた。数日後、捕らわれたヒルツが収容所に戻って来た。勿論、必要な情報は仕入れて来たようである。
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