20世紀・シネマ・パラダ
イス
|
汚れなき悪戯
Marcelino Pan y Vino
監督:ラディスラオ・バハダ
(1955年/スペイン)
|
◆ 世界中で
大ヒットした宗教映画
の名作
聖マルセ
リーノ祭の日を迎えたスペインのとある小さな村。1人の神父が病床の少女を見舞い、マルセリーノの奇蹟について語った。
…昔々、フランス軍との戦争で焼け野原となった村が復興した頃、他所から3人の修道士が来て、
丘の上の廃屋の使用許可を願い出た。3人は村人たちの協力を得て、廃屋を修道院に建て直し、数年後には12人の修道士たちが寝食を共にするようになってい
た…。 |
|
…ある朝、修道院の門前に赤ん坊が捨てられていた。赤ん坊はマルセリーノ(その日の守護天使の名前)と名付けられ
た。
修道士たちはマルセリーノの母親を探したが見当たらず、次は里親を求めて村中を歩き回った。 |
|
|
1軒だけ、鍛冶屋が赤ん坊を引き取ると返事をしたが、鍛冶屋
が息子に手をあげるのを見て、修道士はマルセリーノを渡すことを拒否した。 |
マルセリーノを修道院で育てることに決まって間もなく、修道院の理解者だった村長が亡く
なった。後任の村長となった鍛冶屋は、赤ん坊を引き渡さなければ修道院を取り潰すと脅したが、他の村会議員たちが反対した。
5歳になったマルセリーノは、修道士たちをあだ名で呼ぶようになっていた。
|
ある日、馬車が故障したため修道院に立ち寄った農家の家族があった。年若い農家の母親と接
したマルセリーノは、初めて母親の面影を思い描いた。「パパは12人いる…。ママはいないんだ… 」。 |
マルセリーノは炊事係の‟お粥さん”に訊ねた。「ぼくのマ
マはどこにいるの?」。「天国にいる。きっと美人だ」。 |
|
「(修道院の)2階には大男がいてさらわれてしまう
」。マルセリーノは2階に上がることを禁じられていたが、皆の目を盗んで上がってみると、十字架に磔となったキリストの像が置
いてあった…。 |
マルセリーノは村祭りに連れて行かれたが、彼のちょっとした悪戯で祭の会場は大混乱と
なってしまった。村長の鍛冶屋は混乱で生じた損害の賠償を修道院に求め、1ヶ月以内に支払わなければ立ち退くように命じた。
|
マルセリーノは再び2階に忍び込んだ。キリストが空腹そうだと思ったマリセリーノは、‟お
粥さん”の目を盗んで手に入れたパンをキリストに差し出した。するとキリストの手が動き出し、パンを受け取った。
マルセリーノは毎日のようにパンや葡萄酒などを届けるようになり、キリストから‟パンと葡萄酒のマルセリーノ”と呼ばれるようになった。
|
マルセリーノの様子が変わったことに気付いた修道院長は、彼と一
番仲良しの‟お粥さん”に
意見を求め、‟お粥さん”は台所の食糧や葡萄酒が持ち出されていることを報告した。修道院長はマルセリーノに気付かれないように見張り続けるよう言い渡し
た…。
|
|
|
『汚れなき悪戯』 予告編
|
◆ 主な出演者など
|
・マルセリーノ役 … パブリート・カルボ
・‟お粥さん”役 … ファン・カルボ
・修道院長役 … ラファエル・リベレス
・最初と最後に登場する神父役 (兼ナレーター)
… フェルナンド・レイ
|
・原題は‟パンと葡萄酒のマルセリーノ”。1952年に発表された同名の小説を、ラディス
ラオ・バハダ監督と原作者のホセ・マリア・サンチェス・シルバの2人が脚色した。
・パブリート・カルボがカンヌ国際映画祭の特別子役賞を受賞。彼の愛くるしさが受け、スペイン映画で初めて国際的な成功を収めた。
|
|
|
・修道士が12人なのは、‟最後の晩餐”の使徒の人数に合わせたのかな?
キリスト教についての知識が無くても十分に楽しめる作品です。
|
|