20世紀・シネマ・パラダ
イス
◆ チャップ
リン映画の中でも人気の高いコメディ・ロマンスの名作
チャーリーは街で花売り娘に声
を掛けられて一輪の花を買い、娘が盲目であることを知った。娘は、走り去る車の音を聞き、花を買ってくれた男性がお金持ちだと思い込んでしまった。チャー
リーは盲目の
花売り娘に恋をした。 |
その日の夜。チャーリーは、妻と別れて自殺しようとしていた富豪を助け、彼に気に入られてしまった。 |
チャーリーと富豪はロールスロイスでナイトクラブへ。 |
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翌朝。富豪の家の前で花売り娘を見かけたチャーリーは、富豪からお金を恵んで貰い、花を全
部買い上
げて、ロールスロイスで娘を家まで送り届けてあげた。
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花売り娘は親切なお金持ち(=浮浪者)に
対して淡い感情を抱き始め、心に‟灯”が点った。
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チャーリーは、なぜか酒に酔った時にだけチャーリーの事を思い出す富豪に翻弄されていた
が、富豪は出張で欧州へ旅立ってしまった。
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娘が病気で寝込んでしまい、チャーリーは彼女のためにゴミ拾いの仕事を始めた。
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娘の部屋に滞納している家賃の督促状が届いたが、同居している祖母は、娘に心配を掛けたく
ないので
黙っていた。お昼時間にチャーリーが訪ねてきた。チャーリーは、手術を受ければ目が見えるようになるとの新聞記事を読んでやった。
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チャーリーが家主からの督促状を見つけ、2人はその窮状を知ることとなった。チャーリー
は、家賃は自分が何とかすると言って仕事場へ戻ったが、遅刻をしたためクビになってしまった。
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その日の夜。チャーリーは八百長ボクシングでお金を稼ぐことに。お互いに手加減をして、
ファイトマネーを山分けしようとの魂胆だったが、相手の男が警察に追われてトンズラしてしまい、別の男と対戦することになった。
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チャーリーは、急遽対戦相手となった男(見るからに前の
相手より強そう)に八百長を持ち掛けたが、相手は聞く耳を持たなかった。
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ファイトマネーも手に入らず、意気消沈していたチャーリーだったが、欧州から帰国した富豪
と再会した。有り難いことに酔っていた富豪の家に招かれたチャーリーは、娘のことは心配するなと1,000ドルを恵んで貰った。
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富豪の家には2人組の強盗が忍び込んでおり、頭を殴られた富豪は失神。駆けつけた警官は、
ポケットに1,000ドルも入っているチャーリーを疑った。更に、意識を取り戻した富豪はしらふでチャーリーのことを覚えておらず、チャーリーは強盗と間
違われてしまった。明朝までに滞納家賃を支払わなければならない。チャーリーは1,000ドルを持ってその場から逃走した。
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翌朝。チャーリーは娘の家を訪ね、家賃と目の手術代として1,000ドルを手渡した。そし
て、当分の間会うことができないと別れを告げ、去って行った。その後、チャーリーは警察に捕まり投獄された…。
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…月日は流れ、娘は手術で目が見えるようになり、街で花屋を営んでいた。刑務所から出所し
たチャーリーは、偶然に花屋の前を通り、娘と顔を合わせた。チャーリーの心に再び‟灯”が点った。しかし、娘の方はチャーリーの顔を知っているはずもな
く…。
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『街の灯』 予告編
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◆ 主な出演者など
浮浪者チャーリ役
チャールズ・チャップリン Charles
Chaplin
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花売り娘役
ヴァージニア・チェリル Virginia
Cherrill |
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富豪役
ハリー・マイヤーズ Harry Myers
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・新作映画の大半がトーキーとなっていた1931年に公開されたが、全米で年間第2位の大
ヒットに。 チャップリンの人気の高さを改めて知らしめた。
(右の写真)撮影時のチャップリン。ヴァージニア・チェリル、ダグラス・フェアバンクス(右)と
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・浮浪者と花売り娘の出会いのシーンは、実に342回もNGとなり、撮影に1年以上もか
かったという。
ヴァージニア・チェリルは、一度はジョージア・ヘイル(『黄
金狂時代』のヒロイン)に交替させられてもいる。 |
・チャップリンの完全主義者ぶりも凄いが、それに耐えたヴァージニア・チェリルもあっぱ
れ。
* ヴァージニア・チェリル …
ケーリー・グラントの最初の結婚相手。 |
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2人の出会いのシーンの撮影模様。途中、日本人秘書の高野虎市さんも登場。
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・プレミア試写会にはアインシュタイン博士が招待された。
アインシュタイン : 「あなたの芸術は実に素晴らしい。なにしろ、全く言葉を使わずに、世界中の人にあなたは理解されているのですから
」。
チャップリン : 「いやいや、博士こそもっと素晴らしい。なにしろ世界中のほとんどの人があなたの相対性理論を理解できないのに、あなたは世界
一の有名人なのですから」。 |
・握りしめた手の感触で、浮浪者が恩人だと気づくラスト・シーンは、映画史上屈指の感動の
名場面。『City Lights 』。タイトルも最高。
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