20世紀・シネマ・パラダ
イス


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フランケンシュタイン
Frankenstein
監督:ジュームズ・ホエール
(1931年/アメリカ)
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◆ 怪奇映画
の大ヒット作品
一人の男が観客に語りかける。
「自らの手で人間を創造しようとした、神を忘れた科学者フランケンシュタイン。… どうか心臓の弱い方はご退場を 」。 |
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科学者のヘンリー・フランケンシュタインと
助手のせむし男フリッツは、墓地に忍び込み、埋葬されたばかりの新鮮な死体を盗み出した。
次に、新鮮な脳を入手するため医科大学に忍び込んだフリッツは、正常者の脳の標本を床に落としてしまい、その代わりに犯罪者の脳の標本を持ち去った…。
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ヘンリーの婚約者エリザベスと
友人のビクターは、手紙を寄こすだけ
で数ヶ月姿を見せないヘンリーの事を心配し、彼の恩師ウォルドマン教授を訪ねた。
ヘンリーは、直流電気により死んだ人間を生き返らせようとする研究に没頭していたが、検体が入手できないため大学を辞めたとのことであった。
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エリザベスたちはヘンリーの実験場を訪ねた。彼の研究は最終段階にきていた。
皆が見守る中、ヘンリーは死体に稲妻の電気を浴びせかけた…。
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モンスターの登場シーン
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モンスターは、フリッツが手にしていた松明の火を見て急に暴れ出したため、鎖で縛られ地
下室に閉じ込められた。フリッツはその後も松明の火でモンスターをいたぶっていたが、反撃され、殺されてしまった。
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暴れ出したモンスターは、ヘンリーとウォルドマン教授が薬品を注射され、眠らされた。
ヘンリーはモンスターの処置をウォルドマン教授に任せ、エリザベスと共に自宅へ戻った。
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その後、息を吹き返したモンスターはウォルドマン教授を締め殺し、実験場から脱出してし
まった…。
ヘンリーとエリザベスの結婚式の日。ヘンリーの父は町の名士であり、町中がお祭り騒ぎだった。
その頃、山里に現れたモンスターは少女のマリアと出会い、彼女を湖に放り込んで殺してし
まった。
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エリザベスの部屋にモンスターが現れた。エリザベスの悲鳴を聞き、ヘンリーたちが駆け
つけた時には、モンスターは逃げた後だった。
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マリアがモンスターに殺されたと知り、町中の男たちが松明を掲げ、モンスター狩りに繰り出
した。
ヘンリーがモンスターと遭遇し、格闘したが、打ちのめされてしまった。
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モンスターは、気絶したヘンリーを担ぎながら風車小屋へと向かった。ヘンリーが意識を取り
戻し、再びモンスターに立ち向かったが…。
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◆ 主な出演者など

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ヘ
ンリー・フランケンシュタイン役
コリン・クライヴ
Colin Clive
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モンスター役
ボリス・カーロフ
Boris Karloff |

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エリザベス役
メイ・クラーク
Mae Clarke
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・『魔人ドラキュラ』 (1931年)
を大ヒットさせたユニヴァーサル社が、怪奇映画の第2弾として製作。
ドラキュラを演じたベラ・ルゴシは、モンスター役をオファーされたが辞退。
映画はドラキュラを上回る大ヒットとなり、ルゴシはボリス・カーロフに対してライバル心を抱くこととなったと言われている。
(右の写真) 『魔人ドラキュラ』 のベラ・ルゴシ |

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・ドラキュラと並び、怪奇映画の2大ヒーローとなったフランケンシュタインのモンスター。
ちなみに、
フランケンシュタインはモンスターの名前ではなく、生みの親の科学者の名前。
(左の写真) 『フランケンシュタイン』 のボリス・カーロフ
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◆ ピック・アップ … ボリス・カーロフ

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Boris Karloff
1887-1969 (イギリス)
・1919年に映画界入り。『フランケンシュタイン』 (1931年) により、世界的な名声を得る
ま
でに、約70本もの映画に端役・脇役として出演。
・『フランケンシュタインの花嫁』 (1935年)、『フランケンシュタインの復活』 (1939年)でも、モンスターを演じた。 |
・演技力には定評があり、ブロードウェイの舞台で
も活躍。ブラック・コメディ 「毒薬と老嬢」 (1941年〜) は、3年以上のロングランとなり、
カーロフの代表作となった。
* 映画 『毒薬と老嬢』 (1944年/監督:フラン
ク・キャプラ)では、レイモンド・マッセーが演じた役柄。
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『フ
ランケンシュタイン』 のメイク中
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舞
台 「毒薬と老嬢」
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・晩年まで怪奇映画の大スターとして活躍した。
・1969年、81歳で他界。
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