20世紀・シネマ・パラダ イス

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川辺での逢瀬中、都会の女が妻の殺害を持ちかけた。「ボートをひっくり返したら、事 故のように見える…」。「一緒に都会の町へ来て」。初めは怒った夫だったが、甘言を繰り出す女に惑わされ、妻の殺害を決意してし まった。

都会の女は水草を集め、男に手渡した。「あなたはこ れで助かって」。

翌日。夫は妻を誘った。「ボートで川を下り、旅行に行こう」。夫からの思わ ぬ誘いに、妻は大いに喜んだ。夫は水草の束をボートに隠し入れていた。

川下りが始まると、妻は夫の様子がおかしいと気がついた。夫は妻を突き落とそうと立ち上 がったが、すんでのところで思いとどまった。

ボートが岸に着くと、妻は逃げ出し、通りかかった電車に飛び乗った。夫は妻の後を追った。

２人は町に着き、カフェに入ったが、妻は恐ろしさと悲しさで泣き崩れた。

町の教会で見ず知らずの他人の結婚式が行われていた。２人は吸い寄せられるように教会へ 入っていった。

「彼女は若く未熟だ。彼女を導き、愛し続け、全ての害悪から彼女を護りなさい…」 。神父の説教を聞くと、夫は泣き崩れ、許しを請うた。

２人は愛情を取り戻した。

２人は町で楽しい時を過ごした。夫が床屋で無精ひげを剃り、写真館で記念撮影をしたり、遊 園地でダンスを踊ったり…。

夫婦の愛情、絆を再確認し、幸福感に包まれて家路についた。… 天候が急変し、嵐になった。夫は水草の束を取り出し、妻の体に巻きつけた。ボートが転倒し、２人は川へ投げ出された…。

岸に辿り着いた夫は、村人たちに助けを求め、妻の捜索に繰り出し た。しかし、妻を発見することはできなかった。

捜索が打ち切られ、うな垂れて戻ってくる男を見て、都会の女は全 て計画通りに事が運んだものと喜んだが…。

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