20世紀・シ
ネマ・パラダイス
クラシック・モンスターズ
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怪奇映画、怪物映画の古典となったドラキュラ、フランケンシュタイン、狼男。3大モンスターは漫画の「怪物くん」でもお馴染み。
(左の画像)漫画の「怪物くん」
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『吸血鬼ノスフェラトゥ』(1922年)
サイレント期のドイツの巨匠F・W・ムルナウの作品。
ブラム・ストーカーの恐怖小説「ドラキュラ」(1897年)の映画化権が得られず、名前を「ノスフェラトゥ」(不死者)に変えるなど、独自の解釈により完成させた怪奇映画の元祖。 |
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『魔人ドラキュラ』(1931年)
小説「ドラキュラ」を映画化した最初の作品。
ドラキュラ伯爵を演じたベラ・ルゴシは怪奇映画のスターとなったが、晩年は薬物中毒になり、そのことを公表した。ムルナウ監督の
『ジェキル博士とハイド』(1920年)にも出演していた。 |
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『吸血鬼ドラキュラ』(1958年)
ドラキュラ伯爵を演じて怪奇映画のスターとなったクリストファー・リー。世界で最も多くの映画(250本以上)に出演した俳優として、ギネスブックに認定されている。
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『フランケンシュタイン』(1931年)
『魔人ドラキュラ』を大ヒットさせたユニヴァーサル社が、怪奇映画の第2弾として製作。ベラ・ルゴシが断ったモンスター役を演じたボリス・カーロフも人気スターとなった。
なお、フランケンシュタインとはモンスターを創った科学者の名前。 |
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『狼男』(1941年)
日本では劇場未公開。これもユニヴァーサル社の作品。
狼男を演じたロン・チェイニー・ジュニアの父親は、「千の顔を持つ男」と呼ばれたサイレント期の怪奇映画のスター。『魔人ドラキュラ』 でドラキュラ伯爵を演じる予定だったが、撮影前の1930年に47歳で亡くなっている。 |
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「狼男」と言えば、King of Pop マイケル・ジャクソンの
「スリラー」(1983年)も有名ですね。ミュージック・ビデオの歴史を変えた名作。 |
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フランケンシュタイン映画の4作目『フランケンシュタインの幽霊』(1942年)では、ロン・チェイニー・ジュニアがフランケンシュタインのモンスターを演じ、5作目の『フランケンシュタインと狼男』(1943年)では、ベラ・ルゴシがフランケンシュタインのモンスター、ロン・チェイニー・ジュニアが狼男を演じた。
また、お笑いコンビ‟アボットとコステロ”のヒット作『凸凹フランケンシュタインの巻』(1948年)では、3大モンスターが勢ぞろいした。ドラキュラはベラ・ルゴシ、狼男はロン・チェイニー・ジュニア、フランケンシュタインはグレン・ストレンジが演じた。 |
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『フランケンシュタインと狼男』(1943年) |
『凸凹フランケンシュタインの巻』(1948年) |
『キング・コング』(1933年)
3大モンスターとはちょっと系統が違うが、クラシック映画のモンスターとして忘れてはならないのがキングコング。こちらはRKO社の作品。
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Classic Monsters
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モンスターではないが、クラシック映画の人気ヒーロー、密林の王者ターザンについて。
ターザンはサイレント期から映画化されており、演じた役者は何人もいるが、最も有名なのがジョニー・ワイズミューラー。1924年と1928年のオリン
ピックで金メダルを5つも獲った水泳選手。俳優に転じ、
『類猿人ターザン』(1932年) が大ヒット。以後、合計12本ものターザン映画に出演した。 |
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有名な「アーア・アー」の雄叫びは、本人の声を加工した人工音だったらしい。
ジョニー・ワイ
ズミューラーは、最晩年には痴呆のような症状が出て、病室で「アーア・アー」
の雄叫びをあげていた、というちょっと可哀想な話が伝わっている。 |
ターザン・シリーズの人気者だったチンパンジーの‟チータ”。
チータを演じたチンパンジーは30匹近くいたらしいが、その中の1匹、『類猿人ターザン』(1932年)と『ターザンの復讐』(1934年)に出演したチンパンジーが、2011年12月に80歳で大
往生した。チンパンジーの平均寿命は45歳位。世界一長寿のチンパンジーとしてギネスブックにも登録された。多才多芸で、筆をとって絵を描くことが趣味だったという。
(右の写真)モーリン・オサリヴァン(左)、
ジョニー・ワイズミューラー(右)
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