20世紀・シネマ・パラダ イス

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King Kong

     キング・コング
     King Kong
     監督:メリアン・C・クーパー、アーネスト・B・シェードザック
     (1933年/アメリカ)
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 世界中を驚嘆させた特撮映画の古典的名作

 映画監督のカール・デンハムは新作のヒロインを探していたが、あまり評判のよろしくない彼の元に来る女優がいなかった。彼は町へ繰り出し、不況のため に撮影所をクビになったばかりの女優ア ン・ダロウをスカウトした。
 2人は船で撮影へ向かった。目的地は地図にも載っていない東インド諸島の小島。そこには島民に恐れられている ‟コング” という怪物がいるとの噂が…。
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  主な出演者など 

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 ジャック役 … ブルース・ キャボット Bruce Cabot 
 アン役 … フェイ・レイ Fay Wray
 カール役 … ロバート・アームストロング Robert Armstrong 

 ・映画が公開されるや一大センセーションとなり、製作したRKO社にはコン グについての問い合わせが殺到したという。
 ちなみに、コングの身長は7.6メートル (25フィート) という設定。
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 ・映画のテーマは 「美女と野獣」。冒頭、「野獣は、美女を見て抜け殻となった…」 という古代アラビアの諺なる言葉が表示されるが、これは製作者のメリアン・C・クーパーが考案した言葉。
 密林の王者(野獣)が美女に骨を抜かれ、文明の象 徴である世界一のビルで最期を遂げるとい う話。

 ・映画のラスト、コングがエンパイア・ステート・ビルのてっぺんに登るシーンはあまりにも 有名。
 特撮映画の古典的名作、記念碑的作品として映画史に刻まれている。

 ・製作総指揮者はデビッド・O・セルズニック
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 ・AFI (アメリカ映画協会) が1998年に選定した 「アメリカ映画100年ベスト100」 で、第43位にランクイン。
 また、「アメリカ映画 名セリフ ベスト100」 では、「いや、飛行機じゃない。美女が野獣を射止めたんだ 」 が、第84位にランクイン。

 ・製作・監督の一人であるメリアン・C・クーパーは第 一次世界大戦中に戦闘機のパイロットとして活躍しており、映画 のラストでコングを攻撃する飛行士の一人を演じている。
 後年、ジョン・フォード監督の騎兵隊三部作や、『静かなる男』 (1952年)、『捜索者』 (1956年) などの製作者として活躍。1952年にアカデミー賞名誉賞を受賞している。
  (右の写真) メリアン・C・クーパー
Merian C. Cooper

Wills O'Brien-Oscar  ・コングの実質的な産みの親と言えるのが、特撮  <ストップモーション・アニメ> の先駆者ウィリス・オブライエン。
  まだサイレントの時代に『ロスト・ワールド』 (1925年)で特殊効果を担当し、こ の分野の第一人者となった。
  『猿人ジョー・ヤング』 (1949年)でアカデミー賞特殊効果賞を受 賞。『キングコング』 の時には、この賞はまだ創設されていなかった。
  (左の写真) オスカー像を手にするウィリス・オブライエン

 ・1976年、『タワーリング・インフェルノ』 (1974年)のジョン・ギラーミン監督によるリメイク作品が公開され、こちらも大ヒット。ラストにコングが登ったのは、エンパイア・ス テート・ビルではなく世界貿易センタービルだった。
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Kong 1976
1933年のコング
1976年のコング

  ピック・アップ … フェイ・レイ

Fay Wray
  Fay Wray   1907-2004  (カナダ/アメリカ)

 ・カナダ出身。子供の頃にアメリカへ移住。16歳の時に短編映画 『Gasoline Love(1923 年)で銀幕デビュー。

 ・奇才エリッヒ・フォン・シュトロハイム監督の『結婚行進曲』 (1928年) のヒロインに抜擢され、注目を集めた。

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One Sunday afternoon
『結婚行進曲』 エーリッヒ・フォン・シュトロハイムと
『或る日曜日の午後』 (1933年) ゲーリー・クーパー

 ・『キング・コング』 のヒロインは、コングの黒い毛皮とのコントラストで映えるとの理由で、金髪のジーン・ハーロージンジャー・ロジャースが候補であったが実現せず、フェイ・レイがかつらを着けて熱演し た。
 悲鳴をあげるシーンが評判となり、「叫び声の女王」 との称号を得た。
 幸か不幸か、以後は絶叫する役柄のオファーが続いたという。
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 ・『キングコング』 以後、ヒット作に恵まれなかったが、1950年代以降はTVを中心に息長く活躍。ヘ ンリー・フォンダ主演のTVドラマ 『Gideon's Trumpet(1980年) が最後の出演作となった。
 ピーター・ジャクソン監督の 『キング・コング』 (2005年) に出演する予定であったが、撮影前に亡くなってしまった。

 ・私生活では3度結婚をしており、2度目の結婚相手は、フランク・キャプラ監督作品で 数多くの名作を書き、アカデミー賞も受賞した脚本家のロバート・リスキン。彼が亡くなるまで連れ添っている。

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 ・2004年96歳で他界。彼女が亡くなった日、エンパイ ア・ステート・ビルは15分間消灯して、彼女を追悼した。
  (左の写真) 晩年のフェイ・レイ。エンパイア・ステート・ビルにて。

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