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イングマール・ベルイマン監督作品の常連だったスターたち

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< 男優篇 >

  グンナール・ビョルンストランド Gunnar Bjornstrand 1909-1986(スウェーデン)

Gunnar_Bjornstrand
 ・1933年、スウェーデンの王立演劇アカデミーに入学して演技を学んだ。イングリッド・バーグマンが同期生で、彼女がスウェーデンで最後に出演した『六月の夜』(1940年)、ベルイマン監督の『秋のソナタ』(1978年)で共演もした。

 ・ベルイマン監督がまだ大学生だった頃に知り合い、同監督の2作目『われらの恋に雨が降る』(1946年)、出世作『夏の夜は三たび微笑む』(1955年)等、合計19本のベルイマン作品に出演した。

 ・遺作となった『ファニーとアレクサンデル』(1982年)出演時には、脳卒中で倒れた後遺症により動作や台詞の発声もままならない状態だったそうで、何回も撮り直す様子が『ベルイマンの世界/ドキュメント「ファニーとアレクサンデル」』(1986年)に収められている。
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『第七の封印』(1957年) 鏡の中にある如く』(1961年)
ハリエット・アンデルセンと

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『冬の光』(1962年)
イングリッド・チューリンと
『秋のソナタ』(1978年)


  エルランド・ヨセフソン Erland Josephson 1923-2012(スウェーデン)

Erland_Josephson
 ・ベルイマン監督の2作目『われらの恋に雨が降る』(1946年)にエキストラで出演し、銀幕デビュー。長いこと脇役、助演クラスだったが、『ある結婚の風景』(1973年)で主役となり、『鏡の中の女』(1976年)、『リハーサルの後で』(1984年/TV)、『サラバンド』(2003年)でも主役を務めた。エキストラやカメオ出演も含めると、合計15本のベルイマン作品に出演。

 ・その他、ロシアのアンドレイ・タルコフスキー監督の『ノスタルジア』(1983年)、『サクリファイス』(1986年)等に出演した。

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『ある結婚の風景』(1973年)
リヴ・ウルマンと
『鏡の中の女』(1976年)
リヴ・ウルマンと
After the Reharsal
Saraband
『リハーサルの後で』(1984年)
レナ・オリンと
『サラバンド』(2003年)
リヴ・ウルマンと


  マックス・フォン・シドー Max von Sydow 1929- 2020(スウェーデン/フランス)

Max_von_Sydow
 ・スウェーデンの王立演劇アカデミー在学中の1949年に銀幕デビュー。ベルイマン監督の『第七の封印』(1957年)、『処女の泉』(1960年)で主役を演じ、世界的な映画スターとなった。ベルイマン監督作品にはTVドラマも含めると合計13本に出演した。

 ・大作『偉大な生涯の物語』(1965年/監督:ジョージ・スティーヴンスの主人公イエス・キリスト役でハリウッド・デビュー。悪魔払いに挑む神父を演じた『エクソシスト』(1973年/監督:ウィリアム・フリードキン)が記録的な大ヒットとなり、スウェーデンを代表する映画スターに。

The_Seventh_Seal-2 The_Virgin_Spring
『第七の封印』(1957年) 『処女の泉』(1960年)
ビルギッタ・ペテルソンと
Through_a_Glass_Darkly-3
Hour_of_the_Wolf
鏡の中にある如く』(1961年)
ハリエット・アンデルセンと
『猿の時刻』(1968年)
リヴ・ウルマンと

 ベルイマン監督を崇拝するウディ・アレンの『ハンナとその姉妹』(1986年)、スティーブン・スピルバーグの『マイノリティ・リポート』(2002年)、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015年)等々に出演。
 デンマークとスウェーデンの合作『ペレ』(1987年/監督:ビレ・アウグスト)でアカデミー賞主演男優賞、『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』(2011年/監督:スティーブン・ダルドリー)で同助演男優賞にノミネートされた。2002年、フランスの市民権を取得。 2020年、90歳で他界。

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  スヴェン・ニクヴィスト(カメラマン) Sven Nykvisy 1922-2006(スウェーデン)

Sven_Nykvist
 ・『処女の泉』(1960年)以降、『リハーサルの後で』(1984年/TV)まで、オムニバスの1篇『ダニエル』(1967年)を除くベルイマン監督の全劇場用映画、TVドラマを撮影。『叫びとささやき』(1972年)、『ファニーとアレクサンデル』(1982年)で2度アカデミー賞撮影賞を受賞した。

 

Sven_Nykvist-2 Sven_Nykvist-3
ベルイマン監督(手前)と ベルイマン監督(左)と

 ・世界各国の名匠たちからオファーが届き、『プリティ・ベビー』(1978年/監督:ルイ・マル、『サクリファイス』(1986年/監督:アンドレイ・タルコフスキー、『存在の耐えられない軽さ』(1988年/監督:フィリップ・カウフマン)、『私の中のもうひとりの私』(1988年/監督:ウディ・アレン)、『ギルバート・グレイプ』(1993年/監督:ラッセ・ハルストレム)等を撮影した。

< 女優篇 >

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