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伝説の映画製作者たち

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   ハル・B・ウォリス

 ・1898年、イリノイ州シカゴ生れ。両親はポーランドからの移民でユダヤ人。出生時は Aaron Blum Wolowicz  という名前だったが、Harold Brent Wallis に改名。

 ・1922年、ロスアンゼルスに引っ越し、翌年、ワーナー・ブラザース社に入社。初めは宣伝部の仕事をしていたが、ジョン・バリモア主演の 『海の巨人』 (1930年) で製作者としてデビュー。最終的にはワーナー・ブラザース社の製作部門の責任者になった。
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 ・製作した 『仮面の米国』 (1933年)、『海賊ブラッド』 (1935年)、『ロビン・フッドの冒険』 (1938年)『ヨーク軍曹』、『マルタの鷹』 (1941年)、『ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ』 (1942年) といった作品がアカデミー賞作品賞にノミネートされ、
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 『カサブランカ』 (1943年) でついに作品を受賞。ところが、晴れの舞台である授賞式において、彼を差し置いてジャック・L・ワーナーが壇上に上がり、我が物顔でオスカー像を受け取った。これがきっかけで、ウォリスはワーナー社と決別することになった。
 (左の写真) 『カサブランカ』 製作時。マイケル・カーティス監督(左)、
  イングリッド・バーグマン

 ワーナー社在籍時に2度 (1938年と1943年) アカデミー賞のアーヴィング・G・タルバーグ賞を受賞している。

 ・独立後、バート・ランカスターカーク・ダグラス‟底抜けコンビ” ことディーン・マーティンとジェリー・ルイスといったスターを輩出し、‟キング・オブ・ロック” エルヴィス・プレスリーを銀幕デビューさせた。
  * 独立後の作品はほとんどがパラマウント社から配給された。

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‟底抜けコンビ” ディーン・マーティン(左)、
ジェリー・ルイス (中央) と

エルヴィス・プレスリー(左)と
 
 ・独立後、『バラの刺青』 (1955年)、『ベケット』 (1964年)、『1000日のアン』 (1969年) がアカデミー賞作品賞にノミネートされたが、受賞は逃した。
 (右の写真) 『ベケット』 製作時。リチャード・バートン(左)、ピーター・オトゥール(中央)と。

 ・1975年、ゴールデン・グローブ賞のセシル・B・デミル賞を受賞。
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 ・生涯で370以上の作品を製作。ジョン・ウェインキャサリン・ヘップバーンの初共演が話題となった 『オレゴン魂』 (1975年) が最後の作品となった。

 ・1986年88歳で他界。

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