20世紀・シネマ・パラダ イス

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Mr. Smith Goes to Washington

       スミス都へ行く
        Mr. Smith Goes to Washington
        監督:フラン ク・キャプラ
        (1939年/アメリカ)
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 アメリカ 民主主義の良心を高らかに謳いあげた名匠キャプラの名作

 ある州の上院議員が急死した。同州のもう1人の上院議員ジョー・ペインは、後任候補を誰にするかを、政財界の黒幕ジ ム・テイラーと相談した。2人は地元のダム建設を巡り癒着している間柄であり、御し易い人間を後任とすることは死活問題であった。
 (注)上院議員は各州2名
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Mr._Smith-2-2  ペインとテイラーは、ミラーを後任候補に指名するようホッパー州知事に圧力をかけた。ホッパーもテイラーの金の力で州知事となった身であり、従わざるを得な かった。しかし、州の委員たちがミラーの指名に猛反発。委員たちは、ヒルを指名するようホッパーに迫った…。

 困り果てたホッパーが帰宅すると、子供たちが口を揃えて、後任候 補はジェフ・スミスが良いと言う。スミスは地元少年団の団長で、青少年向けのローカル紙を発行 している子供たちの英雄だ。しかし、ホッパーはスミスの名前すら知らなかった。 Mr. Smith-3

Mr. Smith-4   悩んだホッパーは、コインの表裏で、ミラーかヒルかを決めることにした。ところが、投じたコインは新聞に寄りかかって立ったまま。その新聞にジェフ・スミ スの名前を見つけたホッパーの気持ちは決まった。ホッパーはスミスを後任候補に指名した。

 後任候補指名の晩餐会。スミスは、「亡き父の親友であり、 理想の男であったペイン上院議員と一緒に働けることは光栄です…」とスピーチした。ペインは、スミスが亡き友人の息子であることを初めて知った。 晩餐会の最後には少年団が登場。スミスに鞄をプレンゼントした。 Mr._Smith-4-3

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 『スミス都へ行く』 の予告編



  主な出演者など 

ジェフ・スミス役
ジェームズ・ステュアート
サンダース役
ジー ン・アーサー
ジョー・ペイン役
クロード・レインズ
James_Stewart Jean_Arthur
Claude_Rains-2

ジム・テイラー役
エドワード・アーノルド
ディズ・ムーア役
トーマス・ミッチェル
ホッパー州知事役
ガイ・キビー
Edward_Arnold
Thomas_Mitchell
Guy_Kibbee

 ・キャプラ監督の『オペラ・ハット』(1936年)の 続編『Mr. Deeds Goes to Washington』として企画されたが、主役のゲー リー・クーパーをサミュエル・ゴールドウィン社から借りることが出来ず、MGM社からジェームズ・ステュアートを借りて、題名も「Deeds」 から「Smith」に変更された。
 (右の写真)左から、キャプラ監督、ジーン・アーサー、ジェームズ・ステュアート
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 ・本物の国会議事堂の議場とソックリに作られたセットは、コロンビア社のセットとしては当 時最大のものだった。
 (左の写真)キャプラ監督(左)とジェームズ・ステュアート

 ・アカデミー賞では作品賞など10部門でノミネート。同年は強力なライバルがひしめき、受 賞は原案賞のみに終わった。主演男優賞の候補だったジェームズ・ステュアートは、『チップス先生さようなら』のロバー ト・ドーナットに敗れはしたが、得票数では、『風と共に去りぬ』クラーク・ゲーブルを 上回った。(右の写真)左から、ジェームズ・ステュアート、ジーン・アーサー、キャプラ監督
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Harry_Carey
 ・助演男優賞は、クロード・レインズと上院議長役のハリー・ケリーがダブル・ノミネートさ れたが、新聞記者ディズ・ムーア役 のトーマス・ミッチェルが、『駅馬車』の演技で受賞した。
 (左の写真)ハリー・ケリー

 ・映画のラストとして、スミスとサンダースが故郷でパレードをするシーンが撮影されてい た。本編では使用されなかったが、予告にその一部が使用された。
 (右の写真)幻のパレード・シーン。ジェームズ・ステュアートとジーン・アーサーの前には、母親役のビューラ・ボン ディとクロード・レインズが座っています。
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 ・AFI(アメリカ映画協会)が、1998年に選定した「アメリカ映画100年ベスト 100」で、第29位にランクイン。


  ピック・アップ … クロード・レインズ

Claude Rains  Claude Rains 1889-1967 (イギリス/アメリカ)

 ・1889年、ロンドン生まれ。父親が役者だったこともあり、子供の頃から役者を志していた。第1次世界大戦中、イギリス陸軍に従軍。 ガス攻撃により右目を失明している。

 ・イギリスでは、映画にも1作だけ出演(1920年)したが、舞台を中心に活動していた。

 ・1926年に渡米し、ブロードウェイ・デビュー。

 ・ハリウッドでのデビュー作『透明人間』(1933年)が大ヒット。全編を通してマスクを被っての出演 だった。以後、映画と舞台で活躍。
 (右の写真)『透明人間』 グロリア・ステュアートと
The_Invisible_Man

 ・『スミス都へ行く』(1939年)『カサブランカ』(1942年)、『愛の終 幕』(1944年)『汚名』(1946年)で、4 度アカデミー賞助演男優賞にノミネートされたが、受賞は逃した。
Casablanca
Mr._Skeffington
『カサブランカ』 (1942年)
ハンフリー・ボガート(左)と

『愛の終幕』(1944 年)
ベティ・デイビス

Caesar and Cleopatra Notorious
『シーザーとクレオパト ラ』(1945年)
ヴィヴィアン・リー
『汚名』(1946年)
イングリッド・バーグマン

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 ・舞台「Darkness at Noon(1951年)で、トニー賞の主演男優賞を受賞。
 (左の写真)『アラビアのロレンス』(1962 年)

 ・1967年77歳で他界。


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