20世紀・シネマ・パラダイス

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Bette Davis

ベティ・デイビス

Bette Davis

1908-1989 (アメリカ)


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     代表作

Of Human Bondage Dangerous
痴人の愛
Of Human Bondage

(1934年/アメリカ)
青春の抗議
Dangerous
(1935年/アメリカ)
Jezebel
The_Letter
黒蘭の女
Jezebel
(1938年/アメリカ)
月光の女
The Letter
(1940年/アメリカ)
The_Little_Foxes
All About Eve-3
偽りの花園
The Little Foxes

(1941年/アメリカ)
イヴの総て
All About Eve
(1950年/アメリカ)
What Ever Happened to Baby Jane?
thewhalesofaugust-3.
何がジェーンに起ったか?
What Ever Happened to Baby Jane ?

(1962年/アメリカ)
八月の鯨
The Whales of August
(1987年/アメリカ)

 
    ‟ハリウッドのファースト・レディー” と称された伝説の大女優

 ・1908年、マサチューセッツ州生れ。本名はRuth Elizabeth Davis。7歳の時に両親が離婚し、13歳の時に母親と妹とニューヨークへ移住した。
 子供の頃からダンスや演技を習っており、1929年、オフ・ブロードウェイの舞台「The Earth Between」で本格的な女優デビューを果たした。
 (右の写真)赤ん坊の頃のベティ
Bette_Davis-6

The Bad Sister  ・1930年、ユニヴァーサル社と契約し、『姉妹小町』(1931年)で銀幕デビュー。その後、RKO社やコロンビア社に貸し出され、6作品に出演したが、スターになる資質がないと判断され、お払い箱にされた。
 (左の写真)デビュー作『姉妹小町』

 ・ニューヨークへ戻ることも考えていた折に、ジョージ・アーリスから『The Man Who Played God(1932年)への出演オファーが届いた。
 同作で注目を集めたベティは、ワーナー・ブラザーズ社と契約した。
 (右の写真)『The Man Who Played God』 ジョージ・アーリスと
The Man Who Played God

 ジョージ・アーリス(1866-1946) … イギリスの舞台で活躍した名優。
The Working Man  1921年、55歳の時にハリウッドで銀幕デビュー。  『Disraeli(1929年)でアカデミー賞主演男優賞を受賞。「映画界最初の紳士」と称され、ベティ・デイビスを見出し、彼女が生涯感謝の念を持ち続けたとされる人物。
 
(左の写真)『The Working Man』(1933年)
 ベティ・デイビス、ジョージ・アーリス

20,000_Years_in_Sing_Sing
Jimmy_the_Gent
『春なき二万年』(1932年/監督:マイケル・カーティス
スペンサー・トレイシー

『偽物紳士』(1934年/監督:マイケル・カーティス)
ジェームズ・キャグニー


 ・サマセット・モームの小説「人間の絆」を映画化した『痴人の愛』 (1934年/監督:ジョン・クロムウェル)で、一躍トップ女優の仲間入りを果たした。男をたぶらかす悪女の役で、多くの女優が尻込みしたという役柄。
 RKO社の作品だが、ベティは、ワーナー社の反対を押し切って出演したとも言われている。
 (右の写真)『痴人の愛』 レスリー・ハワード
Of_Human_Bondage-5
 ベティの演技は、「かつて米国の女優がスクリーン上で示した最高の演」」と激賞された。
Of_Human_Bondage-4   しかし、他社の作品、他社の女優の後押しをしたくないワーナー社とRKO社の意向により、アカデミー賞にはノミネートすらされなかった。アカデミー協会に は抗議が殺到し、デモ隊まで出る騒動となった。その結果、同協会は、ノミネート者以外に投票してもよい、という異例の措置をとり、事態を収拾することに なった。尚、受賞者は、『或る夜の出来事』クローデット・コルベールだった。
 (左の写真)『痴人の愛』

 ・翌年、『青春の抗議』(1935年)でアカデミー賞主演女優賞を受賞。ベティは、前年の「埋め合わせ」的な受賞だと感じていたようで、「今年は 『乙女よ嘆くな』のキャサリン・ヘップバーンが受賞するべきでした」とコメントした。
 (右の写真)オスカー像を手にするベティ・デイビス
Bette Davis Oscar

The_Petrified_Forest  ・1936年、会社から与えられた役柄に不満だったベティは、イギリスに渡り映画に出演しようと試みたが、ワーナー・ブラザーズ社と訴訟になり、敗訴した。
 (左の写真)『化石の森』(1936年) レスリー・ハワードと

 ・1937年、『札つき女』と『倒れるまで』(監督:マイケル・カーティス)の2作品での演技によりベネチア国際映画祭の主演女優賞を受賞。
Marked Woman Kid_Galahad
『札つき女』 ハンフリー・ボガート 『倒れるまで』 エドワード・G・ロビンソン

 ・ウィリアム・ワイラー監督との最初の作品『黒蘭の女』(1938年)は、南北戦争直前の南部の女性を主人公にした作品で、モノクロ版の『風と共に去りぬ』とも言われている。
 『風と共に去りぬ』については、ベティもスカーレット役を望んでいたが、ワーナー社がエロール・フリンとのコンビでの貸し出しを主張したためにご破算となったとの説や、本人が『黒蘭の女』と同じタイプの役柄であるスカーレット役に興味を示していなかったとの説がある。
Jezebel-2
The_Sisters
『黒蘭の女』
ヘンリー・フォンダ
『黄昏』(1938年/監督:アナトール・リトバク
エロール・フリンと


 ・『黒蘭の女』で2度目のアカデミー賞主演女優賞を受賞。
 尚、彼女のオスカー像は、2001年にオークションに出品され、スティーブン・スピルバーグ監督が落札。その後アカデミー協会に寄贈されている。 
 (右の写真)主演男優賞を受賞したスペンサー・トレイシーと
Bette Davis Oscar-2

 ・『愛の勝利』(1939年)で、2年連続3度目のアカデミー賞主演女優賞候補に。
Dark_Victory The_Private_Lives_of_Elizabeth_and_Essex
『愛の勝利』(1939年)
ジョージ・ブレントと
『女王エリザベス』(1939年/監督:マイケル・カーティス)
エロール・フリンと

 ・『月光の女』(1940年/監督:ウィリアム・ワイラー)で、3年連続4度目のアカデミー賞主演女優賞候補に。
All_This,_and_Heaven_Too The_Letter-2
『凡てこの世も天国も』(1940年/監督:アナトール・リトヴァク)
シャルル・ボワイエ
『月光の女』(1940年)

 ・『偽りの花園』(1941年/監督:ウィリアム・ワイラー)で、4年連続5度目のアカデミー賞主演女優賞候補に。

 ・1941年、女性で初めてアカデミー協会会長に選出されたが、アカデミー賞授賞式を一般に開放する等の改革案を巡って事務局と対立。僅か2ケ月で辞任した。
The_Great_Lie The_Little_Foxes-3
『偉大な嘘』(1941年)
ジョージ・ブレントと
『偽りの花園』(1941年)
ハーバート・マーシャルと

Wyler Davis  ・ウィリアム・ワイラー監督とは3作品で組んだ。2人とも演技に対しては妥協を許さぬ完璧主義者。撮影現場での喧嘩腰のやり取りは語り草となっている。2人は一時期、恋愛関係にあったとの説も。
 (左の写真)ウィリアム・ワイラー監督と

 ・『情熱の航路』(1942年)で、5年連続6度目のアカデミー賞主演女優賞候補に。5年連続のノミネーションは、ベティとグリア・ガースン(1941年〜1945年)だけである(2014年現在)
In_This_Our_Life
Now,_Voyager
『追憶の女』(1942年/監督:ジョン・ヒューストン
オリヴィア・デ・ハヴィランド

『情熱の航路』(1942年)
ポール・ヘンリードと

 ・第2次世界大戦中、俳優仲間の助けを借りて、軍人向けの「ハリウッド食堂」(1942年〜1945年)をオープン。ハリウッド・スターや人気ミュージシャンが、ボランティアとして連日入れ替わりで軍人たちをもてなした。
 (右の写真)「ハリウッド食堂」で働くベティ・デイビス
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 ・『愛の終焉』(1944年)で、7度目のアカデミー賞主演女優賞候補に。
Watch_on_the_Rhine
Old_Acquaintance
『ラインの監視』(1943年)
ポール・ルーカスと

『旧友』 (1943年)
ミリアム・ホプキンス(右)と

Mr._Skeffington Beyond_the_Forest
『愛の終焉』(1944年)
 クロード・レインズ

『森の彼方に』(1949年/監督:キング・ヴィダー
ジョセフ・コットン


Bette&Warner_Bros.  ・1949年、18年間在籍したワーナー・ブラザーズ社から独立してフリーに。
 「ワーナー・ブラザーズ社5番目の兄妹」とも呼ばれていた程、同社の大看板女優として君臨していた。
 (左の写真)ワーナー4兄弟とベティ・デイビス

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