20世紀・シネマ・パラダ
イス


◆ 機械文明
による人間性の喪失を糾弾したチャップリンの名作
工場のベルトコンベヤーで、ひたすらネジを巻く仕事をしているチャーリー。その工場はトイレの中までテレビカメラで監視されていた。 |
ランチタイム。チャーリーは ‟自動飲食マシーン” なる
ものの実用モデルとして指名されたが、これがとんでもないシロモノで散々な目に。 |
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工場の仕事は大変。少しでも油断すると、巨大な歯車の中に巻き込まれてしまうことも…。
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工場の仕事はチャーリーの心身を蝕んでいた。ついに、洋服のボタンまでがネジに見えてしま
う症状が現れた…。
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発狂して暴れ回ったチャーリーは病院へ収容されてしまった…。
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病から回復したチャーリーは退院したのも束の間、街でデモ隊のリーダーと間違われて投獄さ
れてしまった。
その頃、港街には、失業中の父親と幼い妹たちを養うため盗みを働いている娘がいた。
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監獄内のチャーリーは、脱獄を企てた囚人一味を撃退し、その褒美として一人部屋に移され
た。
街では失業者の暴動が発生。娘の父親が巻き込まれて死んでしまった。孤児となった姉妹たちを役人が引き取りに来たが、娘は隙をみて一人逃亡した…。
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チャーリーは監獄の一人部屋がすっかり気に入り、いつまでもいたいと願ったがそうもいか
ず、仕事の紹介状を
貰って出所した。そして、港の造船所で働きだしたが、大きなヘマをやらかし、自ら職場を去った。
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チャーリーはパンを盗んだ娘と偶然に鉢合わせた。監獄へ戻りたいチャーリー
は自分が犯人だと名乗ったが、目撃者の証言により無罪放免。娘は警官に捕まり連行された。
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チャーリーは監獄へ戻るために無銭飲食をして自ら警官に捕まった。護送車の中でチャー
リーは娘と再会した。2人は交通事故で車外に放り出され、一緒に逃亡した。
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自分たちの家があったらいいな、と空想に耽るチャーリーと娘…。チャーリーはデパートの警
備の職に就いた。
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デパート閉店後、チャーリーは娘を店内に招き入れ、お食事にお遊び…。
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深夜。チャーリーは3人組の泥棒に捕まってしまったが、泥棒の1人がかつての工場での同僚
だった。4人で酒盛りが始まり、酔い潰れたチャーリーは翌朝、警察の御用となった。
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数日後、出所したチャーリーを娘が出迎えた。娘は2人が住む家を見つけていた。
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不況で閉鎖されていた工場が再開され、チャーリーはエンジニアの親方の助
手として雇われた。
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チャーリーは親方の迷助手として働いていたが、工場がストライキに突入した。チャーリー
はふとしたはずみで警官に石をぶつけてしまい、またもや投獄されてしまった。
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娘は街で踊っているところをスカウトされて、ミュージック・ホールの踊り子となり、出所し
た
チャーリーを出迎えた。
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娘の推薦で、チャーリーも同じ店で働くことに。給仕の他に唄も歌わなければならない。歌
詞が覚えられないチャーリーのために、娘は袖に歌詞を書いてあげた
が…。
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「ティティナ」 を歌うシーン
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チャーリーの歌と踊りは大いにうけ、店に正式採用された。次は娘のダンスの時間。しかし、
浮浪罪で指名手配中であった娘を、刑事たちが捕まえに来た…。
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◆ 主な出演者など
・チャップリンが 『街の灯』 (1931年)以来、5年ぶりに発表した作品。
相手役のポーレット・ゴダードとは、本作の撮影後に旅行に出かけ、その時に船上で結婚をしたとも言われていたが、正式には結婚をしていなかった
そうです。
(右の写真) 撮影中のチャップリンとポーレット・ゴダード
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・パントマイム芸こそ世界共通の言語との信念を持ち、サイレント映画にこだわり続けた
チャップリン。この作品でも台詞は一切なし。
(左の写真) 撮影中のチャップリンとポーレット・ゴダード
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・チャップリンは声が出ないとか、
変な声だとか、そんな悪評に応えるためか、本作で初めてその声を披露。「ティティナ」
をどこの国の言葉でもない歌詞で唄ってみせた。
台詞や歌詞などなくても観客には通じ、楽しませることはできるさ、という映像作家チャップリンの心意気。ブラボー!チャップリ
ン。
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・本作が、フランス映画 『自由を我等に』 (1931年)に
類似しており、盗作だとして、製作会社トービスがチャップリンを告訴したが、ルネ・クレール監督が、
「私の映画が偉大なチャップリン氏に影響を与えたのなら光栄なことだ 」
と声明を発表して、告訴は取り下げられたという有名なエピソードも。 |
・ラストシーン等に流れる楽曲 「スマイル」
は、チャップリンが作曲し、後年、歌詞が付けられて、ナット・キング・コールやマイケル・ジャクソンなど多くの歌手に歌われた。
1972年のアカデミー賞で、チャップリンに名誉賞が贈呈された時も、会場の全員でこの曲が歌われた。
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