20世紀・シネマ・パラダ
イス
◆ 機械文明
による人間性の喪失を糾弾したチャップリンの名作
工場のベルトコンベヤーで、ひたすらネジを巻く仕事をしているチャーリー。その工場はトイレの中までテレビカメラで監視されていた。 |
ランチタイム。チャーリーは、‟自動飲食マシーン”なるものの実用モデルと
して指名されたが、これがとんでもないシロモノで散々な目に。 |
工場の仕事は大変。少しでも油断すると、巨大な歯車の中に巻き込まれてしまうことも…。
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工場の仕事はチャーリーの心身を蝕んでいた。ついに、洋服のボタンまでがネジに見えてしま
う症状が現れた…。 |
発狂して暴れ回ったチャーリーは病院へ収容されてしまった…。 |
◆ 主な出演者など
・チャップリンが『街の灯』(1931年)以来、5年ぶりに発表した作品。
ヒロイン役のポーレット・ゴダードとは私生活においてもパートナーとなった。本作の撮影後に旅行に出かけた時に、船上で結婚したとも言われていたが、正
式には結婚していなかった
そうです。
(右の写真)撮影時のポーレット・ゴダード
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・パントマイム芸こそ世界共通の言語との信念を持ち、サイレント映画にこだわり続けた
チャップリン。この作品でも台詞は一切なし。
(左の写真)撮影時のチャップリン
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・チャップリンは声が出ないとか、
変な声だとか、そんな悪評に応えるためか、本作で初めてその声を披露。「ティティナ」をどこの国の言葉でもない歌詞で唄ってみせた。
台詞や歌詞などなくても観客には通じ、楽しませることはできるさ、という映像作家チャップリンの心意気。ブラボー!チャップリン。 |
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・本作が、フランス映画『自由を我等に』(1931年)に
類似しており、盗作だとして、製作会社トービスがチャップリンを告訴したが、ルネ・クレール監
督が、
「私の映画が偉大なチャップリン氏に影響を与えたのなら光栄なことだ」
との声明を発表して、告訴は取り下げられたという有名なエピソードも。 |
・ラストシーン等に流れる楽曲「ス
マイル」は、チャップリンが作曲し、後年、歌詞が付けられて、ナット・キング・コールやマイケル・ジャクソンなど多くの歌手に歌われた。
1972年のアカデミー賞で、チャップリンに名誉賞が贈呈された時には、会場の全員でこの曲が歌われた。
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