20世紀・シネマ・パラダ イス

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Pepe le Moko

       望 郷
        Pepe le Moko
        監督:ジュ リアン・デュヴィヴィエ
        (1937年/フランス)
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 戦前の日 本で大いに受けた デュヴィヴィエ&ギャバンの代表作

 フランス植民地アルジェリアの首都アルジェに、パリから刑事たちが乗り込んで来た。2年 前、 パリで銀行強盗をして大金を強奪し、その際に5人の警官を殺害した大泥棒のペペ・ル・モコを逮 捕しに来たのだ。
 ペペの潜伏先はアルジェのカスバと呼ばれる一画。家屋や道路が蜂の巣のように入り組み、街そのものが迷路のようになっている。
 アルジェのスリマン刑事は、この2年間ずっとペペを見張り、顔見知りにもなっているが、カス バ の中で下手に手を出すと自分の命が危ないことを知っており、逮捕のチャンスを伺っていた。ペペはカスバの暗黒街のボスであり、手下も大勢いて、街の人々か ら も敬愛されているからだ…。
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 ペペが手下のカルロスピエロを連れて闇 屋の爺さんの所で盗品の宝石を売 り さばいている時、警官が大挙してペペの住処へと向かっていた。ペペと同居しているジプシーの女イネスは、 警官がペペを捕まえに来ることを知らせに来たレジスにペペの居場所を教えた。ところがレジス は 警察と内通しており、爺さんの家は警官たちに包囲されてしまった。ペペは警官隊との銃撃戦で手を負傷し、治療のために立ち寄った店で、スリマン刑事と彼に 保護された観光客のフランス人女性ギャビィと顔を合わせた…。
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 『望郷』 予告編


  主な出演者など 

ペペ・ル・モコ役 ギャビィ役
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ジャ ン・ギャバン ミレーユ・バラン

イネス役 スリマン刑事役
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Lucas_Gridoux-2
リーヌ・ノロ リュカ・グリドゥ

 ・戦前の日本で人気の高かったジュリアン・デュヴィヴィエ監督と、同監督に見出され、スターの地位を築いたジャ ン・ ギャバン。2人が組んだ5作目で、コンビの代表作でもある。
 日本でも大ヒットして、キネマ旬報ベスト・テンの第1位(1939年度)に選出された。 
 (右の写真) ジュリアン・デュヴィヴィエ監督(右)
Julien Duvivier

Frehel
 ・カスバに流れ着き、連れ込み宿の女将になれ果てたかつての人気歌手が、往時のレコードを 聞きながら涙を流す…というシーン。
 演じたのはフレエル (当時46歳)。10代の頃はミュージック・ホールで最も人気のあった歌手であり、ブレイク前のモーリス・シュバリエのパートナーだった時期もあった。 
 (左の写真)『望郷』 でのフレエル
 しかし、10代の頃からアルコール依存症で、自殺未遂騒動を起したこともあったとい う。
 映画の中で聞くレコードは、本人の歌声。実人生そのものの様な役柄を演じている。
 (右の写真)17歳の時のフレエル


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 ・ジャン・ギャバンも映画スターとなる前はミュージック・ホールの芸人・歌手であり、本作 の中でシャンソンの歌声を披露している。
 (左の写真)『望郷』ジャン・ギャバン

 ・ハリウッドで『カスバの恋』(1938年)と してリメイクされ、シャルル・ボワイエヘ ディ・ラマーが主演した。
 (右の写真) 『カスバの恋』 シャルル・ボワイエとヘディ・ラマー
Algiers


 ◆ ピック・アップ … ミレーユ・バラン

Mireille Balin-2
 Mireille Balin  1909-1968 (フランス)

 ・1909年、モナコのモンテカルロ生れ。モデルを経て、1932年に銀幕デビュー。

 ・『望郷』 、ジャン・ギャバンと再共演した『愛欲』の2作品が大ヒットし、フランス映画界を代表する人気女優の1人となった。
  『マカオ』(1942年)では、日本人スターの早川雪洲とも共演した。

Gueule_D'Amour Macao
『愛欲』  ジャン・ギャバンと 『マカオ』 早川雪洲と

 ・ナチス・ドイツの占領時代に、ドイツ軍士官の愛人だったことにより、パリ解放後の 1944年に逮捕・投獄された。釈放後の1947年に銀幕復帰したが、1作に出演しただけで引退した。

 ・1968年59歳で他界。


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