フランス植民地アルジェリアの首都アルジェに、パリから刑事たちが乗り込んで来た。2年
前、
パリで銀行強盗をして大金を強奪し、その際に5人の警官を殺害した大泥棒のペペ・ル・モコを逮
捕しに来たのだ。
ペペの潜伏先はアルジェのカスバと呼ばれる一画。家屋や道路が蜂の巣のように入り組み、街そのものが迷路のようになっている。
アルジェのスリマン刑事は、この2年間ずっとペペを見張り、顔見知りにもなっているが、カス
バ
の中で下手に手を出すと自分の命が危ないことを知っており、逮捕のチャンスを伺っていた。ペペはカスバの暗黒街のボスであり、手下も大勢いて、街の人々か
ら
も敬愛されているからだ…。
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