20世紀・シネマ・パラダ
イス
◆ 主役の2
人がオスカー候補に
大雨で視界が悪い中を走行していた囚人護送車が崖下に転落し、2人の囚人、白人のジョーカーと黒人のカレンが逃亡した。肌の色
が違う2人は互いに相手を嫌っていたが、手錠で繋がれたままの為、時には協力して逃亡するしかなかった。
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通報を受けた保安官のマックス、
州警察、地元の狩猟会のメンバーから成る捜索隊が2人を追跡していた。 |
ある小さな町に辿り着いたジョーカーとカレンは、住民が寝静まるのを待って食料品店に忍び
込んだが、屋根から転落して大きな物音を立ててしまった。
2人は捕らわれ、リンチを受けそうになったが、サムという男が体を張って阻止してくれた。そ
して、2人の身柄は夜が明けてから警察に引き渡されることになった。
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万事休すと思われたが、サムが解放してくれた。サムの手首には手錠痕があった…。
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窮地を脱した2人だったが、些細な事から殴り合いとなった。
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2人が格闘しているところにライフル銃を持った少年が現れた。少年はビリーという名で、母親と2人暮らしだという。2人はビリーをなだめ、家に案内させた。
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ビリーの母親はジョーカーにだけ食事を出したが、彼に促されてカレンにも食事を出した。
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2人はハンマーとタガネで手錠を取り外すことが出来たが、ジョーカーは手首の傷が原因で倒
れてしまった。
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ビリーの母親が徹夜でジョーカーを看病した。亭主に捨てられた彼女は、ジョーカーとの新た
な生活を思い描き始めていた。
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翌朝。ビリーの母親は車で一緒に逃亡しようとジョーカーを誘った。カレンは不満げだった
が、別々に逃亡した方が安全だと諭され、一足先に家を出て行くことにした。
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カレンはビリーの母親から教えられた鉄道への近道へ向かって出発した。しかし、その道は一
度入り込んだら生きて帰れない底なし沼だという。その事を聞かされたジョーカーがとった行動は…。
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『手錠のまゝの脱獄』 予告編
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◆ 主な出演者など
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・ジョーカー役 … トニー・カーティス Tony Curtis
・カレン役 … シド
ニー・ポワチエ Sidney Poitier
・マックス役 … セオドア・ビケル Theodore Bikel
・サム役 … ロン・チェイニー・ジュニア Lon
Chaney Jr.
・ビリーの母親役 … カーラ・ウィリアムズ Cara Williams
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・独立系の製作者スタン
リー・クレイマーが自ら監督した3作目。
ジョーカー役は、クレイマーの初監督作品 『見知らぬ人でなく』 (1955年) の主演だったロバート・ミッチャムが候補となったが、南部で白人と黒人が手錠で繋がれることはあり
得ないとして辞退している。
(右の写真) 撮影時。左から、スタンリー・クレイマー、ケビン・コフリン、トニー・カーティス、
シドニー・ポワチエ
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・アカデミー賞の作品賞、監督賞、主演男優賞 (ト
ニー・カーティス、シドニー・ポワチエ)、助演男優賞(セオドア・ビケル)、助演女優賞(カーラ・ウィリアムズ)、脚本賞、撮影賞(白黒部門)、編集賞の
8部門でノミネートされ、脚本賞と撮影賞の2部門で受賞。共同脚本家の1人 (本名:ネドリック・ヤング)は、‟赤狩り”
のブラック・リストに名前が載せられていたため、変名のネイサン・E・ダグラスを使用していた。
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