20世紀・シネマ・パラダ イス
トニー・カーティス
Tony Curtis
1925-2010(アメリカ)
◆
代表作
成功の甘き香り
Sweet Smell of Success
(1957年/アメリカ)
手錠のまゝの脱獄
The Defiant Ones
(1958年/アメリカ)
お熱いのがお好き
Some Like It Hot
(1959年/アメリカ)
グレートレース
The Great Race
(1965年/アメリカ)
◆
硬軟どちらの役も巧みに演じた
・
1925年
、ニューヨーク生れ。本名は
Bernard Schwartz
。両親はハンガリーからの移民でユダヤ人だった。父親は仕立て屋だったが、生活は苦しく、まだ幼い弟と一緒に養護施設に入れられた事もあった。貧しさゆえに非行に走ったが、隣人の勧めでボーイスカウトに入れられ、更生したという。
・第2次世界大戦中は海軍に入隊し、潜水艦乗りとなった。艦内で鑑賞できた唯一の映画『ガンガ・ディン』
(1939年/監督:
ジョージ・スティーヴンス
)
を何度も観て、主役の
ケーリー・グラント
の大ファンになり、彼のモノマネ芸を習得。その芸で艦内の人気者になったという。
代表作となった『お熱いのがお好き』
(1959年/監督:
ビリー・ワイルダー
)
の中でもケーリー・グラントのモノマネ芸を披露している。
(右の写真)海軍在籍時のトニー・カーティス
・戦後、ニューヨークで演技を学び、舞台に出演しているところをスカウトされ、ユニヴァーサル社と契約。
バート・ランカスター
主演の『裏切りの街角』
(1949年)
の端役で銀幕デビューをした。尚、下積み時代の芸名はアントニー・カーティスだった。
チョイ役ながらもファン・レターの数が多かったことから、『盗賊王子』
(1951年)
の主役に抜擢され、同作がヒット。以後、B級映画ながらも主役クラスの地位を確立した。
(左の写真)初主演作『盗賊王子』
・1951年、女優の
ジャネット・リー
と結婚。娘を2人授かり、2人とも女優になった。
*
(長女)ケリー・カーティス … ホラー映画『デモンズ4』(1991年)等に出演
*
ジェイミー・リー・カーティス … 『ハロウィン』(1978年)、『大逆転』(1983年)、『ワンダとダイヤと優しい奴ら』(1988年)等に出演
『魔術の恋』(1953年)
ジャネット・リーと
『フォルウォスの黒楯』(1954年)
ジャネット・リーと
・バート・ランカスターと共演した『空中ブランコ』
(1956年/監督:
キャロル・リード
)
、
カーク・ダグラス
と共演した『ヴァイキング』
(1958年)
等の大ヒット作に出演し、メジャー・クラスの人気のスターとなった。
(右の写真)『空中ブランコ』 バート・ランカスター(右)、
ジーナ・ロロブリジータ
と
『成功の甘き香り』(1957年)
バート・ランカスター(右)と
『ヴァイキング』(1958年)
ジャネット・リー、カーク・ダグラス(中央)と
・
『手錠のまゝの脱獄』
(1958年/監督:
スタンリー・クレイマー
)
で、共演の
シドニー・ポワチエ
と共にアカデミー賞主演男優賞にノミネート。1番の代表作となった
『お熱いのがお好き』
(1959年/監督:
ビリー・ワイルダー
)
では、
ジャック・レモン
と一緒に見目麗しい?女装を披露し、『ペティコート作戦』
(1959年/監督:
ブレイク・エドワーズ
)
では憧れのケーリー・グラントと共演した。
(左の写真)『手錠のまゝの脱獄』 シドニー・ポワチエ(左)と
『お熱いのがお好き』(1959年)
マリリン・モンロー
と
『ペティコート作戦』(1959年)
ケーリー・グラント(左)と
・ドル箱(マネー・メイキング)スター・ベストテンにも2回ランクインした。1960年(第6位)、1961年(第9位)。
『スパルタカス』(1960年/監督:
スタンリー・キューブリック
)
ローレンス・オリヴィエ
(左)と
『隊長ブーリバ』(1962年)
ユル・ブリンナー
(右)と
・ジャネット・リーと離婚
(1962年)
し、『隊長ブーリバ』で共演したクリスチーネ・カウフマンと再婚
(1963年)
。彼女との間で授かった2人の娘も女優になった。
『パリで一緒に』(1964年)
オードリー・ヘップバーン
と
『グレートレース』(1965年/監督:
ブレイク・エドワーズ
)
ナタリー・ウッド
と
・シリアスな役、コミカルな役、硬軟どちらの役も巧みに演じた。ボストン絞殺魔事件の犯人を演じた『絞殺魔』
(1968年)
の演技は高く評価され、ゴールデン・グローブ賞の主演男優賞にノミネートされた。
*
ボストン絞殺魔事件 … 1962〜1964年にかけて、13人の女性が暴行殺害された事件。
『絞殺魔』(1968年)
ヘンリー・フォンダ
と
『がんばれ!ベアーズ大旋風』(1978年)
アントニオ猪木と
・日本でも放映されたロジャー・ムーア共演の「ダンディ2 華麗な冒険」
(1971〜1972年)
等、TVでも活躍。その他、豪華キャストの『ラスト・タイクーン』
(1976年/監督:
エリア・カザン
)
、『クリスタル殺人事件』
(1980年)
等に出演。
晩年まで第一線で活躍し、『
David & Fatima
』
(2008年/日本未公開)
が遺作となった。
(右の写真)遺作となった『
David & Fatima
』
・1968年、クリスチーネ・カウフマンと離婚。その後3回、生涯で合計5回結婚した。
・若い頃から趣味で絵を描いており、特に晩年は絵を描くことに情熱を注いでいたという。その腕前は高く評価されている。
(左の写真)自作の絵画と一緒に
・
2010年
、
85歳
で他界。
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