バート・ランカスターーサーカス芸人からハリウッドの大スターへー 20世紀・シネマ・パラダイス

20世紀・シネマ・パラダイス

バート・ランカスター

Burt Lancaster

1913-1994（アメリカ）

　

◆　代表作


地上より永遠に From Here to Eternity （1953年/アメリカ）	OK牧場の決斗 Gunfight at the O.K. Corral （1957年/アメリカ）

エルマー・ガントリー / 魅せられた男 Elmer Gantry (1960年/アメリカ）	終身犯 Birdman of Alcatraz （1962年/アメリカ）

山猫 Il gattopardo (1963年/イタリア・フランス）	泳ぐひと The Swimmer （1968年/アメリカ）

家族の肖像 Gruppo di famiglia in un interno （1974年/伊・仏）	アトランティック・シティ Atlantic City （1980年/仏・加）

◆ サーカス芸人からハリウッドの大スターへ

　・1913年、ニューヨーク生れ。家庭が貧しく、子供の頃からアルバイトをして家計を助けていた。高校時代はバスケットボールの花形選手として活躍し、奨学金を得てニューヨーク大学へ進学するも２年で中退。友人のニック・クラヴァットとアクロバット・チームを組み、ランカスターが怪我でリタイアするまでサーカス等で活躍した。
　（右の写真）鉄棒の演技を披露するニック・クラヴァット（左）とバート・ランカスター

* ニック・クラヴァット … 俳優となり、『真紅の盗賊』(1952年）、『深く静かに潜航せよ』(1958年）、『インディアン狩り』(1967年）、『ドクター・モローの島』(1977年）等でバート・ランカスターと共演もした。

　・その後、セールスマンやウェイターなどの職を転々。第２次世界大戦中は陸軍に入隊し、慰問団の一員としての任務に従事した。

　・戦後、ブロードウェイ劇「A Sound of Hunting 」(1945年）で俳優としてデビュー。映画製作者のハル・B・ウォリスにスカウトされ、『殺人者』(1946年）で銀幕デビューを果たすと、俳優としてのキャリアを積み重ねるだけでなく、1948年に映画製作者のハロルド・ヘクトと共に「Norma Productions」を設立し、映画製作業にも乗り出した。
　（左の写真）『殺人者』エヴァ・ガードナーと

　* バート・ランカスターは生涯で３度結婚したが、Norma は当時の妻(２番目の妻）の名前。製作会社は1951年に「Hecht-Lancaster Productions」に社名変更した。
　* ハロルド・ヘクト … 「Hecht-Lancaster Productions」で製作した『マーティ』(1955年）でアカデミー賞作品賞を受賞した。


『私は殺される』(1948年) バーバラ・スタンウィックと	『真紅の盗賊』(1952年）ニック・クラヴァットと

　・『地上より永遠に』(1953年/監督：フレッド・ジンネマン）でアカデミー賞主演男優賞に初ノミネート。俳優として大きく飛躍した。
　（右の写真）『地上より永遠に』デボラ・カーと

　・主演にゲーリー・クーパーを迎え、「Hecht-Lancster Productions」で製作した『ヴェラクルス』(1954年/監督：ロバート・アルドリッチ）が大ヒットし、製作業でも大きな成功を収めた。更に、『ケンタッキー人』(1955年）では監督業にも挑戦した。
　（左の写真）『ヴェラクルス』ゲーリー・クーパー（右）と

　・『空中ブランコ』(1956年/監督：キャロル・リード）でベルリン国際映画祭の男優賞を受賞。


『空中ブランコ』(1956年/監督：キャロル・リード）ジーナ・ロロブリジーダ、トニー・カーティス（右）と	『雨を降らす男』(1956年）キャサリン・ヘップバーンと


『OK牧場の決斗』(1957年/監督：ジョン・スタージェス）カーク・ダグラス(左）と	『成功の甘き香り』(1957年）トニー・カーティス（左）と

　・『エルマー・ガントリー/魅せられた男』(1960年）でアカデミー賞主演男優賞を受賞。


『深く静かに潜航せよ』（1958年/監督：ロバート・ワイズ）クラーク・ゲーブル（右）と	『旅路』（1958年）リタ・ヘイワースと

『許されざる者』（1960年/監督：ジョン・ヒューストン）オードリー・ヘップバーンと	『エルマー・ガントリー/魅せられた男』(1960年）ジーン・シモンズと

　アカデミー賞授賞式。司会はボブ・ホープ、プレゼンターはグリア・ガースン。

　・『終身犯』(1962年）でアカデミー賞主演男優賞にノミネート（３度目）。オスカーは逃したが、ヴェネツィア国際映画祭、英アカデミー賞の主演男優賞を受賞。年を重ねるにつれて名優へと変貌を遂げ、欧州の名匠たちにも起用された。ちなみに、ルキノ・ヴィスコンティ監督（1906年生れ）とは誕生日が同じ11月２日だった。


『ニュールンベルグ裁判』 (1961年/監督：スタンリー・クレイマー）	『終身犯』 (1962年/監督：ジョン・フランケンハイマー）


『山猫』 (1963年/伊・仏/監督：ルキノ・ヴィスコンティ）クラウディア・カルディナーレと	『プロフェッショナル』（1966年）クラウディア・カルディナーレと

『泳ぐひと』(1968年）ジャネット・ランガードと	『大空港』（1970年）ヘレン・ヘイズ（左）、ジーン・セバーグと

　・『アトランティック・シティ』(1980年）でアカデミー賞主演男優賞ノミネート（４度目）。２度目の英アカデミー賞主演男優賞を受賞した。


『家族の肖像』(1974年/伊・仏/監督：ルキノ・ヴィスコンティ）ヘルムート・バーガー（左）と	『アトランティック・シティ』(1980年/仏・加/監督：ルイ・マル）スーザン・サランドンと


『タフ・ガイ』(1986年）カーク・ダグラス（左）と	『フィールド・オブ・ドリームス』(1989年）ケヴィン・コスナー（左）と

　・晩年まで第一線で活躍。日本でも大ヒットした『フィールド・オブ・ドリームス』(1989年）が最後に出演した劇場用映画となった。

　・1994年、80歳で他界。
　（右の写真）主演男優賞のオスカー像を手にするバート・ランカスター
　

　・1999年、AFI(アメリカ映画協会）が選定した「伝説のスター・ベスト50」で、男優部門の第19位に選出。

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