20世紀・シネマ・パラダ イス

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     ティファニーで朝食を
     Breakfast at Tiffany's
     監督:ブレイク・エドワーズ
     (1961年/アメリカ)
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  母となったオードリー、ファッショナブルな大人の女性を演じてファンを魅了

 人も車もまだまばらな早朝のニューヨーク5番街。
 宝石店ティファニーの前でタクシーから降りたのは、コールガールのホリー・ゴライトリーだ。
 彼女が名前のない猫と一緒に暮らしているアパートに着くと、しつこい客が待ち伏せていた。
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 玄関の鍵を失くしたホリーは、毎度の事ながら、上階に住んでいる日本人の写真家ユニオシの部屋のベルを鳴らし、玄関を開けてもらった。
 しつこい客を振り払い、文句をわめき散らしているユニオシをなだめたホリーは、漸く寝床に就けた。
 今度はホリーが部屋のベルで起こされた。玄関を開けると、上の部屋に引っ越して来たという 男性が階段を上って来た。
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 男性が電話を借りたいと言うので部屋へ通した。彼と話をしているうちに、ホリーは今日は面 会日だと思い出した。
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 ホリーは週に1度、収監中のマフィアサリー・トマトと面会し、彼の言葉 (天気予報) を弁護士に伝えるだけで100ドルの報酬を得ているのだった。
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 外へ出てタクシーを呼ぶと、その車から男性の知人の中年女性が降りて来た。彼女はインテリ アデザイナーのフェイルソン夫人 (2E)だと紹介されたが、駅へ急ぐホリーは挨拶もそこそこ にタクシーに飛び乗った。
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Youtube
 『ティファニーで朝食を』 予告編動画



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  主な出演者など

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 ・ホリー役オードリー・ヘップバーン Audrey Hepburn
 ・ポール役 … ジョージ・ペパード George Peppard
 ・2E役 … パトリシア・ニール Patricia Neal
 ・ユニオシ役ミッ キー・ルーニー Mickey Rooney
 ・ドク役 … バディ・イブセン Buddy Ebsen


 ・小説 「ティファニーで朝食を」 (1958年出版) の映画化に際し、原作者のトルーマン・カポーティは、ホリー役にマリリン・モンローを希望していた。
 モンローが、師事していたリー・ストラスバーグの 「娼婦役は イメージを悪くする 」 との助言に従い、出演を辞退。次に候補となったシャー リー・マクレーンも出演を見合わせている。
 (右の写真) オードリー・ヘップバーン
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 ・ オードリー・ヘップバーンも娼婦の役は出来ないと固辞したが、脚本を書き直すことを条件に出演を承諾。また、当初はジョン・フランケンハイマーが監督 する予定だったが、オードリーが名前を聞いたことのない監督と組むことに不安を訴えたため、ブレイク・エドワーズ監督が起用された。
 原作とはかなり異なる作品となったため、トルーマン・カポーティは憤慨したとも言われている。 (左の写真) ブレイク・エドワーズ監督とオードリー・ヘップバーン

 ・撮影開始 (1960年10月) の 3ヶ月前に長男を出産し、年齢は31歳になっていたオードリー。エージェントから、本作は新しいオードリーを披露する作品だと言われていたというが、従前 のような娘役とは一線を画す、大人の女性を演じてファンを魅了。ホリー・ゴライトリーは、アン王女やサブリナに匹敵する人気キャラクターとして愛され続け ている。
 (右の写真)オードリー・ヘップバーン
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Breakfast_at_Tiffany's-51  Moon river, wider than a mile   I'm crossing you in style some day
 Oh, dream maker, you heart breaker 
  Wherever you're going   I'm going  your way
 Two drifters, off to see the world   There's such a lot of world to see
  We're after the same rainbow's end  Waiting round the bend
  My huckleberry friend   Moon river and me
 ムーン・リバー 果てしなく広いけれど  いつか優雅に渡ってみせるわ
 夢を見させておきながら 時につれない貴方
 貴方が何処へ行こうと 私は貴方について行くわ
 2人は漂流者 世界中を巡り廻る 見るべき世界はたくさんあるわ
 私たちは同じ虹の涯てを追っている 虹のてっぺんで待ち合わせましょう
 私のかけがえのない友 ムーン・リバーと私

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< 主題歌 「ムーン・リバー」 >

Breakfast_at_Tiffany's-54  ・アカデミー賞では、主演女優賞、脚色賞、美術監督・装置賞(カラー部門)、劇・喜劇映画音楽賞、歌曲賞の5部門でノミネートされ、劇・喜劇映画音楽賞、歌曲賞の2部門で受 賞。
 「ムーン・リバー」 は、グラミー賞の最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞、最優秀編曲賞の3部門も受賞した。

 ・AFI (アメリカ映画協会) が、2002年に選定した 「愛と情熱のアメリカ映画ベスト100」 で第61位にランクイン。
 2004年に選定した 「アメリカ映画主題歌ベスト100」 で、「ムーン・リバー」 が第4位にランクイン。
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  ピックアップ … ブレイク・エドワーズ監督

Blake_Edwards  Blake Edwards   1922-2010    (アメリカ)

 ・1922年、オクラホマ州生れ。1942年に俳優 (エキストラ) として銀幕デビュー。以後、殆んどが端役ではあるが、30本近くの映画に出演した。
 1952年頃からTVドラマの脚本、監督を務めるようになり、『Bring Your Smile Along(1955年) で劇場用映画の監督としてデビュー。ケー リー・グラント主演の 『ペティコート作戦』 (1959年) が大ヒットし、映画監督としての地位を確立した。
 『ティファニーで朝食を』 (1961年)、 『酒とバラの日々』 (1962年) 等の文芸作品や、ピンク・パンサーのシリーズ (1963年〜)、『グレート・レース』 (1965年)、『テ ン』 (1979年) 等のコメディ作品を手掛けた。
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Days_of_Wine_and_Roses
『ティファニーで朝食を』 (1961年) 撮影時
オードリー・ヘップバーンと

『酒とバラの日々』 (1962年) 撮影時
リー・レミック、ジャック・レモン(右)と

 ・『暁の出撃』 (1970年) の撮影中に主演女優のジュリー・アンドリュースと恋に落ち、結婚 (1969年、共に再婚)
 彼が亡くなるまで連れ添った。
 (右の写真) ピンク・パンサーと
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 ・アカデミー賞では、ジュリー・アンドリュース主演のミュージカル 『ビクター / ビクトリア』 (1982年) で脚色賞にノミネートされただけだったが、監督、製作者、脚本家としての長年の功績が認められ、2004年に名誉賞を受賞した。
 (左の写真) アカデミー賞授賞式にて

 ・2010年88歳で他界。

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