20世紀・シネマ・パラダ イス

filmbar
A Farewell to Arms

     戦場よさらば
     A Farewell to Arms
     監督:フランク・ボーゼージ
     (1932年/アメリカ)
filmbar

 
 文豪ヘミ ング ウェイの 「武器よさらば」 映画化作品

 第1次世界大戦中のチロル地方。イタリア軍の救護班員ヘンリー中尉(アメリカ人)が、戦闘で負傷した兵士 たちを町の病院へ搬送して来た。
Arms-1 Arms-1-2

 その病院にはヘンリーの親友の軍医リナルディ 少佐(イタリア人)が勤務していた。
Arms-2-1
Arms-2-2

 夜。ヘンリーとリナルディはレストランへ行った。
Arms-4
Arms-4-2

 空襲に遭い、ヘンリーは防空壕へ避 難した。そこへ、1人の女性が駆け込んで来た。やがて空襲が止み、2人はそのまま別れた。
Arms-5-2
Arms-5

 翌日。ヘンリーはパーティーに誘われ、リナルディから看護婦のキャサリン嬢(イギリス人)とファーガソン嬢を紹介され た。キャサリンは前夜の防空壕の中の女性だった。ヘンリーはキャサリンに一目惚れした。
Arms-6
Arms-7

 キャサリンはリナルディのお目当ての女性だったが、ヘンリーはリナルディとファーガソン を 放ったらかして、キャサリンを散歩に誘った。
Arms-9-2
Arms-9-3

 キャサリンには婚約者がいたが戦死したとの事だった。 ヘンリーはキャサリンの唇を奪ったが、「軽く思われたくない」 と平手打ちを喰らった。だが、キャサリンもヘンリーに恋をしてしまい、2度目のキスは受けとめた。
Arms-10
Arms-10-2


  


youtube
 『戦場よさらば』 予告編



Arms-26
Arms-27


  主な出演者など 

Arms-28
 ヘンリー役
  … ゲーリー・クーパー Gary Cooper 
 キャサリン役
  … ヘレン・ヘイズ Helen Hayes 
 リナルディ役
  … アドル フ・マンジュー Adolphe Menjou 

 ・原作は、ノーベル賞作家アーネスト・ヘミングウェイが、自身の従軍記者時代の体験をもと に執筆した小説「武器よさらば」。1929年に出版され、大ベストセラーとなった。
 日本では、映画公開当時に軍部の意向により、「武器よさらば」のタイトルが使用出来ず、「戦場よさらば」という題名になった。
 (右の写真) 「武器よさらば」の原作本を手にするゲーリー・クーパー
Gary_Cooper_A_Farewell_to_Arms

Cooper and Hemingway
  ・ヘミングウェイとゲーリー・クーパーは本作製作後に知り合い、大の親友となった。
 ヘミングウェイは自作の「誰が為に鐘は鳴る」の映画化が決 まった際に、クーパーを主役にすることを条件の1つにしたと言われている。
 (左の写真) ゲーリー・クーパー(左)とアーネスト・ヘミングウェイ

 ・ヘレン・ヘイズは後年、「も し、クープに愛を告白されたら、私は夫を捨てることさえいとわなかった」と告白している。


Arms-30

Arms-31
 ・アカデミー賞では、作品賞、撮影賞、室内装置賞、録音賞の4部 門でノミネートされ、撮影賞と録音賞を受賞した。

 ・1957年、デ ビッド・O・セルズニックにより再映画化され、ロック・ハドソ ンジェニファー・ジョーンズが出演した。 Arms-29

Arms-32
Arms-33
Arms-34


  ピック・アップ … ヘレン・ヘイズ

Helen Hayes  Helen Hayes   1900-1993  (アメリカ)

 ・「ブロードウェイのファースト・レディ 」と称されたアメリカの国民的大女優。
 
 ・5歳の時から舞台に立ち、9歳の時にブロードウェイ・デビュー。以後、ブロードウェイの歴史を語る上で、欠かすことの出来ない大女優となっていった。

 

 ・1928年、劇作家のチャールズ・マッカーサーと結婚。夫が脚本を書いた 『マデロンの悲劇』(1931年)で本格的に銀幕デビュー。いきなりアカデミー賞主演女優を 受賞した。
Arrowsmith-2
The_White_Sister
『人類の戦士』(1931 年/監督:ジョン・フォード
ロナルド・コールマン
『ホワイト・シスター』 (1933年/監督:ヴィクター・フレミング
クラーク・ゲーブル

 ・1930年代半ばからは舞台活動に専念。1950年代から再び映画にも出演するようにな り、 『大空港』(1970年)でアカデミー賞助演女優賞を受賞した。
Anastasia Airport
『追想』(1956年/監 督:アナトール・リトバク
イングリッド・バーグマン
『大空港』(1970年/ 監督:ジョージ・シートン)
ジャクリーン・ビセットと

 ・アカデミー賞を2度受賞した他、トニー賞を3度、エミー賞、グラミー賞も受賞した。尚、 第1回 トニー賞(1947年)の主演女優賞はイングリッド・バーグマンとのダブル受賞であり、2人は映画『追 想』で共演もした。
 … ヘレン・ヘイズは「ハッピー・バースディ」、イングリッド・バーグマンは 「ロレーヌのジャンヌ」で受賞。
Arsenic_and_Old_Lace Harvey
TVドラマ 「毒薬と老嬢」(1969年)
リリアン・ギッシュ(左)と
舞台 「ハーヴェイ」 (1970年)
ジェームズ・ステュアート

 ・ 最後の仕事は1985年に出演したTVドラマ。女優としてのキャリアは80年に及んだ。舞台が中心で映画への出演が少ないため、日本ではあまり有名ではな いが、アメリカでは、キャサリン・ヘップバーンベティ・デイビス等と共に、最も尊敬されていた女優の1人である。ブ ロードウェイには彼女の名前を冠した劇場がある。

 ・1986年、大統領自由勲章を授与された。
 (右の写真) アカデミー賞主演女優賞受賞時
Helen_Hayes_Oscar
 ・1993年92歳で他界。


HOME