20世紀・シネマ・パラダイス
ルイーズ・ブルックス
Louise Brooks
1906-1985(アメリカ)
◆
代表作
人生の乞食
Baggars of Life
(1928年/アメリカ)
パンドラの箱
Pandora's Box
(英題)
(1929年/ドイツ)
淪落の女
Diary of a Lost Girl
(英題)
(1929年/ドイツ)
ミス・ヨーロッパ
Miss Europe
(英題)
(1930年/フランス)
◆
元祖ボブ・カット / 伝説の美人女優
・
1906年
、カンザス州生れ。16歳の時にダンサーとなり、19歳の時にブロードウェイの歌劇団「ジーグフェルド・フォーリーズ」の一員となった。舞台に出演しているところをパラマウント社にスカウトされハリウッドへ。
『或る乞食の話』
(1925年)
にエキストラとして出演し、銀幕デビュー。『美人競艶』
(1926年)
で初めて銀幕に名前がクレジットされた。
『美人共艶』(1926年)
フォード・スターリングと
パラマウント社の宣伝写真(1927年)
ブルックス
(後列左)、
セルマ・トッド
(後列右)
ゲーリー・クーパー
(左)
・『港々に女あり』
(1928年/監督:
ハワード・ホークス
)
、『人生の乞食』
(1928年/監督:
ウィリアム・A・ウェルマン
)
の2作品がヒット。ボブ・カット(おかっぱヘア)のルイーズ・ブルックスは、当時流行していた‟フラッパー”スタイルを代表する女優の1人として、同性からも高い支持を得た。
『港々に女あり』(1928年)
ヴィクター・マクラグレン
と
『人生の乞食』(1928年)
リチャード・アーレンと
・『カナリア殺人事件』
(1928年)
の撮影を終えた頃、ドイツの巨匠G・W・パブスト監督からの熱烈なオファーが届いた。
待遇面でパラマウント社に不満を抱いていた彼女は、『カナリア殺人事件』への音声録音を拒否し、ドイツへ渡った。
(右の写真)『カナリア殺人事件』 グスタフ・フォン・セイファーティッツ (左) と
ルイーズの声は別人が録音し公開された。
・ドイツでパブスト監督の『パンドラの箱』、『淪落の女』
(1929年)
に出演。その後フランスへ行き、自身初のトーキー作品『ミス・ヨーロッパ』
(1930年)
に出演した。ちなみに、彼女がドイツへ渡らなかったら、『パンドラの箱』の主人公‘ルル’は、
マレーネ・ディートリッヒ
が演じる予定だった。
(左の写真) 『パンドラの箱』
『淪落の女』(1929年)
『ミス・ヨーロッパ』(1930年)
・1931年、ハリウッドに戻ったが、パラマウント社が圧力をかけ、メジャーの檜舞台では活躍することが出来なかった。
スキャンダルで檜舞台から追放されていた
ロスコー・アーバックル
が、ウィル・グッドリッチ名義で監督したマイナー会社のB級短編映画などに出演していたが、1932年に自己破産。ナイトクラブなどに出演して糊口を凌ぐことになった。
・1936年に銀幕復帰したが、再び脚光を浴びることは無く、1938年に引退。最後の出演作は、ブレイク前の
ジョン・ウェイン
が主演のB級西部劇だった。
・引退後は、デパート・ガールをしたり、金持ちの愛人となっていた時期もあったらしい。戦後は学芸員のような仕事に就き、映画関連の著作物も出したという。
・1950年代、フランスでルイーズ・ブルックス再評価のムーブメントがあり、カルト的な人気を得た。
・1974年、文才を生かして、自伝的回顧録「ハリウッドのルル」を出版。
!
日本では、「俘虜記」、「レイテ戦記」などで知られる作家の大岡昇平が彼女の虜となり、『ルイズ・ブルックスと「ルル」』
(1984年中央公論社
)を著作し、彼女へオマージュを捧げた。
・1985年
、
78歳
で他界。
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