20世紀・シネマ・パラダ
イス
 |
つばさ Wings 監督：ウィリアム・A・ウェルマン （1927年/アメリカ） |
◆ 第1回ア カデミー賞作品賞受賞
| 1917年、アメリカのとある小さな町…。ジャッ クは飛行士になることを夢みていた…。彼 の隣に住んでいるお転婆娘のメアリーは、 ジャックのことを愛していた…。 |
 |
 |
| ジャックはオンボロ車を改良し、愛車 の“流星号”を完成させた。彼はメアリーに愛されていることに気づいておらず、彼女を置き去りにして走り去った。 |  |
| 町の資産家の息子デビッドは、都会からやって来たシルヴィアと相思相愛の間柄。２人のところへ、“流星号”に乗ったジャックがやって来た。ジャックは最 初のドライヴの相手としてシルヴィアを誘った。ジャックもシルヴィアを愛していたのだった…。 |
 |
 |
| アメリカが第１次世界大戦に参戦し、ジャックとデビッドは空軍に志願した。 シルヴィアはデビッドの為に写真入りのペンダントを用意したが、出征の挨拶に来たジャックが自分の為のものと思い違いをして持って行ってしまった。それ を目撃したデビッドは落ち込んだが、シルヴィアから慰められた。 |
 |
 |
| 片思いとは気づいていないメアリーは、ジャックに自分の写真を手渡した。 デビッドは、子供の頃に一番大切にしていた熊のぬいぐるみを母親が大事にとっておいたことを知り、幸運のお守りとして戦場へ持って行くことにした。 |
 |
 |
 |
 |
 |
◆ 主な出演者など
 |
ジャック役 チャールズ・ロジャース Charles Rogers メアリー役 クララ・ボウ Clara Bow デビッド役 リチャード・アーレン Richard Arlen |
| ・
パラマウント社が巨費を投じて製作した娯楽超大作。空軍の協力を得て撮影された迫力ある空中戦が評判となり大ヒット。一部の劇場では、戦闘機のエンジン始
動と同時にスクリーンが横に拡がる「マグナスコープ」が採用された。第１回アカデミー賞で作品賞と技術効果賞を受賞した。 （右の写真）チャールズ・ロジャース、リチャード・アーレン |
 |
 |
・クララ・ボウは、
本作の半年前に公開された『あれ』で大ブレイクした人気絶頂期。本作のポスターも彼女が１番にフューチャーされている。 （左の写真）クララ・ボウ |
| ・チャールズ・ロジャースは、『恋人強奪』(1927
年）でクララ・ボウと再共演。1937年に12歳年上の「アメリカの恋人」メアリー・ピックフォードと結婚をして、世間を賑わせた。 （右の写真）チャールズ・ロジャース、クララ・ボウ |
 |
 |
・リチャード・アーレンとシルヴィア役のジョビナ・ラルストンは、当時本当の夫婦だった
が、1945年
に離婚した。 * ジョビナ・ラルストン … ハロルド・ロイドのキャリア後期の作品でヒロインを務めた。 （左の写真）リチャード・アーレン（左）、チャールズ・ロジャース |
| ・まだ駆け出しのゲーリー・クー
パーが
端役で出演。見習い飛行士役でほんの２〜３分の出演だが、彼の人気に火がついた作品の１つとされている。再公開時の予告編では、主役の２人よりも先に紹介
されている(笑）。 （右の写真）ゲーリー・クーパー |
 |
◆ ピック・アップ … ウィリアム・A・ウェルマン監督
 |
William A. Wellman 1896-1975
(アメリカ） ・ダグラス・フェアバンクスにスカウトされ、フェアバンクス主演の 『ニッカーボッカー』(1919年)に出演。俳優としてデビューしたが性に合わず、監督を目指して裏方に 転じた。 ・『男の中の男』(1923年)で監督デビュー。 |
| ・第１次世界大戦中、戦闘機のパイロットとして活躍した経験を買われ、超大作『つばさ』の
監督に抜擢された。『つばさ』が大成功を収め、一流監督の仲間入り。翌1928年には、『つばさ』と同じ原作者の航空ロマンス『空往かば』
をゲーリー・クーパー主演で、『つばさ』のクララ・ボウとリチャード・アーレン主演で『暗黒街の女』を撮った。 |
 |
 |
| 『空往かば』(1928
年） ゲーリー・クーパー、フェ イ・レイ |
『民衆の敵』(1931
年） ジェームズ・キャグニー、エドワード・ウッズ |
 |
 |
| 『スタア誕生』(1937
年） ジャネット・ゲイ ナー、フレ ドリック・マーチ |
『ボー・ジェスト』(1939年）
ゲーリー・クーパー |
 |
 |
| 『牛泥棒』(1943年） ヘンリー・フォンダ |
『西部の王者』(1944
年） ジョエル・マクリー |
| ・『スタア誕生』(1937年)、『戦
場』(1949年)、『紅の翼』(1954年)で、３度
アカデミー賞監督賞にノミネートされたが、オスカー像には手が届かなかった。 ・1975年、79歳で他界。 (右の写真）『男の叫び』(1953年)、『紅の翼』(1954年)で主役を務めたジョン・ウェイン（左）と |
 |