20世紀・シネマ・パラダ イス

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Vertigo

     めまい
     Vertigo
     監督:アルフレッド・ヒッチコック
     (1958年/アメリカ)
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 批評家た ちに ‟めまい” をおこさせた? ヒッチコック監督の傑作ミステリー

 サンフランシスコの刑事ジョン・ファーガソンは、 犯人追跡中に同僚を屋根の上から転落死させてしまった事故が原因で、高所恐怖症となり、警察を辞職した。
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 ある日、ジョンは大学時代の友人ケビン・エル スターから彼の妻の見張りを依頼された。聞けば、夢遊病者のような不審な行動をとるという。ジョンは乗り気でなかったが、エルスターの妻マデリンの美貌に惹かれ、彼女の見張りを開始した。
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 マデリンは ‟カルロッタ” という19世紀の人物の墓参りをした後、美術館で ‟カルロッタ” の肖像画を長いこと眺めていた…。
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 ジョンは女友達ミッジの知人で この地の歴史に詳しい書店主を訪ね、‟カルロッタ” についての話を聞いた。 ‟カルロッタ” は大金持ちの妾だったが、捨てられたうえに子供を取り上げられ、自殺した…との事だった。
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 ジョンはエルスターにマデリンの行動を報告した。エルスターが言うには、‟カルロッタ” はマデリンの曾祖母だが、マデリンはその事を知らず、全て無意識で行動しているのだという。 ‟カルロッタ”の霊が取り憑いたのか?
 ジョンは半信半疑ながらも見張りを続けた。
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 マデリンはこの日も ‟カルロッタ” の肖像画を眺めていた。そして、サンフランシスコ湾で車を止めると、海へ身を投じた…。
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 『めまい』 予告編


 
   ◆ 主な出演者など

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 ・ジョン・ファーガソン役
   ジェームズ・ステュアート James Stewart
 ・マデリン・エルスター、ジュディ・バートン役
   キム・ノヴァク Kim Novak
 ・ミッジ役
   バーバラ・ベル・ゲデス Barbara Bel Geddes

 ・原作は、『悪魔のような女』 (1955年/監督:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー) の原作者であるフ ランス人作家ピエール・ボロワーとトマ・ナルスジャックのコンビが1954年に出版した小説 「死者の中から」 (小 説ではパリが舞台)

 マデリンとジュディが同一人物だという事は、小説では最後の最後に明らかにされるが、映画ではジュディが登場して間もなく、彼女が手紙を書くシーン
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Vertigo-31 で種明 かしされる。 これはヒッチコック監督のアイデアで、その方がヒロインの葛藤が観客に伝わるとの考えだった。しかし、ヒッチコック監督自身、この
展開にすることに迷いがあったらしく、編集の段階で手紙を書くシーンをカットさせたという。最終的に手紙を書くシーンが入れられたのは、パラマウント社の 当時の社長バーニー・バラバンの判断だったらしい。

 ・幻のラスト … 欧州へ渡ったケビンが妻殺しの犯人として警察に追われているとのラジオ 放送をミッジが聞いているシーンが念のため撮影されていた。というのも、殺人犯が何のお咎めも受けない展開は映画製作倫理規定 (所謂ヘイズ・コード) に抵触するからだった。
 映倫規定は10年後の1968年に廃止されるが、既にその意義を失いつつあったことが窺い知れる。
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 ・ヒロインは、ヒッチコック監督の前作 『間違えられた男』 (1956年) に引き続きヴェラ・マイルズが 演じる予定だったが妊娠したため降板。
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 コロンビア社の専属女優だったキム・ノヴァクがパラマウント社に貸し出されてヒロインを演 じたが、その際、彼女の次作にジェームズ・ステュアートが出演する、という条件が付けられ、2人は 『媚薬』 (1958 年/コロンビア社) で再共演した。タイトル・デザイン、ポスターはソール・バス、 衣装デザインはイーディス・ヘッドが手掛けた。
 (左の写真) 撮影時。左から、ヒッチコック監督、キム・ノヴァク、ジェームズ・ステュアート

 ・作品が公開されると賛否両論。否定的な批評の方が多く、興行成績もヒッチコック作品とし ては低い方で失敗作と
見なされた。しかし、年が経つにつれ、その評価は高まる一方。英国映画協会発行の 「Sight & Sound 」 誌が、1952年から10年毎に発表している 「史上最高の映画」 において、11位(1972年)、7位(1982年)、4位(1992年)、2位(2002年) と順位を上げ、2012年は第1位に選出された。2022年も第1位を死守できるかな?
 (右の写真) 左から、ジェームズ・ステュアート、キム・ノヴァク、ヒッチコック監督
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  ヒッチコック監督 お約束のカメオ出演シーン

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 ・映画が始まって約10分後、ジョン・ファーガソンがケビン・エルスターの会社を訪ねる場 面で通行人として出演。
 (左の写真) ヒッチコック監督のカメオ出演シーン

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