20世紀・シネマ・パラダ イス

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A Farewell to Arms

     イントレランス
     Intolerance
     監督:D.W.グリフィス
     (1916年/アメリカ)
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 「アメリカ映画の父」 グリフィス監督の不滅の名作

  いつの時代においても「不寛容」(Intolerance)が、悲劇をもたらしていた

 < 現代篇 >
 人間性向上を訴える女性運動家た ちに資金援助を求められた工場主は、足りない資金を補うため、従業員の賃金をカットした。従業員たちはストライキを起こしたが、武力で鎮圧されてしまっ た。
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 可 愛い人は、職を失った父親と新たな土地へ移ったが、間もなく父親は亡くなった。彼女は、ギャングのボスの手下の青年と恋をした。彼もストライキ中に父親を亡くしていた。
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 2人は結婚し、青年はボスと手を切ったが、罠にはまり、無実 の罪で投獄されてしまった。可愛い人は赤ん坊を産 み、青年の出所を待った。一方、莫大な資金と社会的な地位を得た女性運 動家たちは、町の浄化と称し、酒類を追放する等の改革を実施していた。スラム街を視察に来た女性運動家たちは、可愛い人の赤ん坊を取り上げ、施設に入れて しまった。
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  < ユダヤ篇 >
 古代のエルサレム。ガラリヤのカナの婚礼に招 待されたイエス・キリストを、パリサイ人(ユダヤ教の一派で偽善者とされる)が軽蔑の目で見てい た。水が葡萄酒に変わる最初の奇蹟。
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  < 中世篇 >
 1572年のパリは、カ トリック派とユグノー派 (当時のプロテスタント派)の内乱状態であった。国王シャルル世がユグノー派のコリニー提督を寵愛しており、カトリック派は不満を抱いていた。国王の妹マルグリッドがユ グノー派のアンリ公と結婚をして、両派の対立の融和を図ったが
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 カトリック派が国王にユグノー派の惨殺命令 書への署名を迫った。国王は拒否していたが、母カトリーヌ・ド・メディチや弟ダンジェー公が、カトリック派がユグノー派に惨殺されたニーム事件などを引き 合いに署名を迫り、ついに押し切られて署名してしまった。
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 ユグノー派の娘ブラウン・アイズと恋人のラ トゥールが婚約し、結婚公告は明朝、聖バルテルミの祝日の朝と決まった。その日の夜、ブラウン・アイズの家の戸口には、ユグノー派であるこ との印がつけられていた
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  < バビロン編 >
 紀元前539年、ベルシャザル王時代のバビロン。山の 娘は、ベル教司祭の従者ラプソードから求愛されたが相手にしな かった。 b1-2

  バビロンの城門が開かれ、女神イシュタルの像が運ばれてきた。ベル教の司祭は、イシュタル神が崇拝されるのを見 て、自分の宗教的権威の失墜を自覚し、再建を決意した。
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 山の娘は、喧嘩をした兄によって裁判にかけ られ、判決により、結婚市場で競売に出された。しかし、気性の激しい山の娘には、持参金を吊り上げても買手が現れなかった。その時、ベルシャザル王が現 れ、山の娘に恋愛・ 結婚の自由を与える 印章を授けた。山の娘はペルシャザル王に永遠の忠誠を誓った。
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b6  ベル教の司祭と密かに手を結んだ宿敵キュロス 率いるペルシャ軍が、バビロンに攻め寄せて来た。山の娘も戦いに赴いた。


  


 ◆ 主な出演者など

可愛い人
メイ・マーシュ
孤独な女
ミリアム・クー パー
ブラウン・アイズ
マージョリー・ウィルソン
Mae_Marsh-2.
Miriam_Cooper-2
Margery_Wilson-2

山の娘
コンスタンス・タルマッジ
ゆ りかごを見つめる女
リリアン・ギッシュ

Constance_Talmadge-2
Lillian_Gish-2


メイ・マーシュ Mae Marsh 1894-1968)
 
代 表作:『國民の創生』(1915年)、 『イントレランス』(1916年)
 後年、ジョン・フォード監督『怒りの葡萄』(1940年)、『荒野の決闘』(1946年)『静かなる男』(1952年)等にも端役で出演した。

ミリアム・クー パー Miriam Cooper  (1891-1976)
 
代 表作:『國民の創生』(1915年)、 『イントレランス』(1916年)
 1916年にラオール・ウォルシュ監督と結婚。同監督の作品に数多く出演したが、1924年に引退。ウォルシュ監督とは1926年に離 婚した。

マージョリー・ ウィルソン Margery Wilson 1896-1986)
 
代 表作:『イントレランス』(1916年)
 1922年までに約50本の映画に出演。最後の出演作では監督も務めた。

 ・「ゆるやかな四つの川が次第に近づ き、流れも勢いも増しながら、やがて合流して大河となる(グリフィス一 大叙事詩。
 (右の写真)D.W.グ リフィス監督
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