20世紀・シネマ・パラダ イス

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The Grapes of Wrath

       怒りの葡萄
        The Grapes of Wrath
         監督:ジョ ン・フォード
         (1940年/アメリカ)
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  ジョン・フォードがアカデミー賞監督賞を受賞した社会派映画の名作

 殺人罪で入獄していた小作人の息子トム・ ジョードは仮釈放となり、4年ぶりに、家族のいるオクラホマの農場へ向かっていた。道中、元説教師のケーシーと一緒になった。
 トムが漸く実家に着くと、そこは空家になっていた。小作人仲間のミューリーから、トムの家族 は2週間前にジョン伯父のところへ行ったと知らされた。近辺の農家は皆、大資本に土地を奪わ れ、移転を余儀なくされていたのだった。
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 『怒りの葡萄』 予告編



  主な出演者など 

The Grapes of Wrath-32  ・トム・ジョード役 … ヘンリー・フォンダ Henry Fonda
  ・母親役 … ジェーン・ダーウェル Jane Darwell
 ・父親役 … ラッセル・シンプソン  Russell Simpson
 ・ケーシー役 … ジョン・キャラダイン  John Carradine

 ・1939年に出版されたジョン・スタインベックの小説 「怒りの葡萄」 は大ベストセラーとなり、翌年、ピューリッツァー賞を受賞。題名は聖書からとったもので、葡萄の汁が布にしみ込んでいくが如く、怒りがじわじわと広がっ ていく様子を指している。
 スタインベックの小説で映画化された作品としては、『廿日鼠と人間』 (1939年/監督:ルイス・マイルストーン、 『エデンの東』 (1955年/監督:エリア・カザン なども有名。
 スタインベックは映画の脚本も執筆しており、『救命艇』 (1944年/監督:ア ルフレッド・ヒッチコック、 『ベニイの勲章』  (1945年)でアカデミー賞原案賞、『革命児サパタ』 (1952年/監督:エリア・カザンで同脚本 賞にノミネートされている。
 1962年、ノーベル文学賞を受賞。
  (右の写真) ジョン・スタインベック
John Steinbech
 映画 『怒りの葡萄』 については、ヘンリー・フォンダの演技に満足し、以後、2人は友人となった。スタインベックの葬儀 (1968年没) では、フォンダが詩を朗読した。

The_Grapes_of_Wrath-38  ・映画化権を10万ドルで獲得した20世紀FOX社のダリル・F・ザナックは、『若き 日のリンカーン』、『モホークの太鼓』 (1939年)で も組んだジョン・フォード監督とヘンリー・フォンダのコンビを起用。トム・ジョード役につい ては、自社のタイロン・パワーを起用する考えであったが、この役を熱望していたフォン ダは、同社と7年契約をする条件 でこの役を得た。
 (左の写真) 左から、フォンダ、フォード監督、アリス・フェイ (本作は未出演)

 ・ フォード監督は僅か7週間で撮影を完了させ、使用したフィルムも通常の半分以下であった。
 フォード監督は、トムが母親と別れキャンプ場を後にするシー ンをラストとしていた。その後に出てくる父親と母親がトラックの中で語り合うシーンは、ダリル・F・ザナックが付け加えたとされている。
 (右の写真) 左から、フォード監督、ジェーン・ダーウェル、ヘンリー・フォンダ
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 ・撮影は、『市民ケー ン』 (1941年/監督:オーソン・ウェルズ)、 『偽りの花園』 (1941年/監督:ウィリアム・ワイ ラーで、「パン・フォーカス」 の技法を開発した伝説の名カメラマン、グレッグ・トーランドが担当。

 ・アカデミー賞では、作品賞、主演男優賞など7部門でノミネート。
 作品賞の有力候補とされていたが、大資本による搾取、独占を批判したメッセージが敬遠され、監督賞と助演女優賞(ジェー ン・ダーウェル)の2部門での受賞に留まった。
  (右の写真) ジョン・フォード監督と出演者たち
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The Grapes of Wrath-35  ・AFI (アメリカ映画協会) が1998年に選定した 「アメリカ映画100年ベスト100」 で第21位に選出。ジョン・フォード監督作品では最上位にランクされた。

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 ピック・ アップ … ジェーン・ダーウェル

Jane Darwell
  Jane Darwell 1879-1967  (アメリカ)

 ・1879年、ミズーリ州生まれ。

 ・舞台女優として活躍し、1914年に短編映画で銀幕デビュー。翌年までに20本近くの映画に出演した後、舞台での活動に戻った。
 
 ・ジャッキー・クーガン主 演の 『トム・ソーヤの冒険』 (1930年) で15年ぶりに銀幕に復帰。その後、子役スターのシャーリー・テンプルと5本の映画で共演したり、端役ながら 『風と共に去りぬ』 (1939年) にも出演した。
Bright Eyes
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『輝く瞳』 (1934年) シャーリー・テンプル(中央)と 『怒りの葡萄』 (1940年) ヘンリー・フォンダと

  ・ヘンリー・フォンダの推薦で出演した 『怒りの葡萄』(1940年) で、アカデミー賞助演女優賞を受賞。
  フォード監督とフォンダのコンビ作品 『荒野の決闘』 (1946年) に も出演した。
  (右の写真) アカデミー賞授賞式でのジェーン・ダーウェル(右)
Jane Darwell Oscar

Mary Poppins  ・1950年代以降はTVでも活躍。

 ・ウォルト・ディズニー本人からの要請で出演でした 『メリー・ポピンズ』 (1964年) が遺作となった。 (左の写真) 『メリー・ポピンズ』 出演時

 ・1967年87歳で他界。

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