20世紀・シネマ・パラダイス

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Tyrone Power

タイロン・パワー

Tyrone Power

 
1914-1958 (アメリカ)


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     代表作
 
In_Old_Chicago-2
Jesse_James-2
シカゴ
In Old Chicago
(1937年/アメリカ)
地獄への道
Jesse James
(1939年/アメリカ)
The_Mark_of_Zorro-3
Blood_and_Sand
怪傑ゾロ
The Mark of Zorro

(1940年/アメリカ)
血と砂
Blood and Sand
(1941年/アメリカ)
Black Swan
The_Long_Gray_Line
海の征服者
Black Swan

(1942年/アメリカ)
長い灰色の線
The Long Gray Line
(1955年/アメリカ)
The_Eddy_Duchin_Story-4
Witness_for_the_Prosecution
愛情物語
The Eddy Duchin Story

(1956年/アメリカ)
情婦
Witness for the Prosecution
(1957年/アメリカ)


    44歳で急逝した2枚目俳優

 ・1914年、オハイオ州生れ。子供の頃に両親が離婚し、母親に育てられた。高校卒業後、俳優として活躍していた父親を頼ってハリウッドへ行ったが、父親は『ミラクルマン』(1932年/主演:シルヴィア・シドニーの撮影前に心臓麻痺で倒れ、亡くなってしまった。

 * 父親のタイロン・パワー・シニア … 自身初のトーキー 『ビッグ・トレイル』(1930年/監督:ラオール・ウォルシュが遺作となった。タイロン・パワーの曽祖父(アイルランド人)も有名な俳優だった。
 
(右の写真)『ビッグ・トレイル』 ジョン・ウェイン(左)とタイロン・パワー・シニア
Tyron_Power,_Sr.

 ・父親の後を継ぐ決意をして、『鉄血士官校』(1932年/監督:ウィリアム・ワイラーの端役で銀幕デビューしたが、その後は1作品でエキストラの役に就けただけ。ハリウッドに見切りをつけ、ニューヨークへ渡った。

 ・ブロードウェイの舞台「Saint Joan(1936年)に出演しているところをスカウトされ、20世紀FOX社と契約。『Girl's Dormitory(1936年)で再デビューし、3作目の『勝鬨(憂国の志士)(1936年/監督:ヘンリー・キング)で人気スターとなった。
 『氷上乱舞』(1937年)で共演したソニア・ヘニーとは恋愛関係になったが結婚には至らなかった。
Lloyd's_of_LondonThin Ice-2
『勝鬨(憂国の志士)』(1936年)
マデリーン・キャロル
『氷上乱舞』(1937年)
ソニア・ヘニーと

 ・1871年のシカゴ大火災を題材にした『シカゴ』(1937年)が大ヒット。同作のヘンリー・キング監督、アリス・フェイと再び組んだミュージカル『世紀の楽団』(1938年)は、その年最大のヒット作となった。同1938年には、MGM社に貸し出されて出演した『マリー・アントアネットの生涯』や『スエズ』も大ヒットした。
In_Old_Chicago Alexander's_Ragtime_Band
『シカゴ』(1937年)
アリス・フェイと
『世紀の楽団』(1938年)
アリス・フェイと
Marie_Antoinette Suez
『マリー・アントアネットの生涯』(1938年)
ノーマ・シアラー
『スエズ』(1938年)
ロレッタ・ヤング(中央)、アナベラ

 ・1938年、ドル箱 (マネー・メイキング)スター・ベストテンに第10位で初登場し、翌1939年はミッキー・ルーニーに次いで第2位。ハリウッドの2枚目スターのトップに躍り出た (翌1940年は第5位にランクイン)。

Annabella  ・1939年、『スエズ』で共演したフランスの人気女優アナベラと結婚。 
 (左の写真) アナベラと

 ・西部開拓時代の実在の無法者に扮した『地獄への道』(1939年/監督:ヘンリー・キング)ダグラス・フェアバンクス主演 『奇傑ゾロ』(1920年)のリメイク『怪傑ゾロ』(1940年/監督:ルーベン・マムーリアンルドルフ・ヴァレンチノ主演作(1922年)のリメイク『血と砂』(1941年/ルーベン・マムーリアン)、海洋活劇『海の征服者』(1942年/監督:ヘンリー・キング)など、ヒーローものの娯楽作品が大ヒット。20世紀FOX社の看板スターとして大活躍した。
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『地獄への道』(1939年)
ヘンリー・フォンダ(左)と

『雨ぞ降る』(1939年/監督:クラレンス・ブラウン
マーナ・ロイ

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Blood_and_Sand-2
『怪傑ゾロ』(1940年)
リンダ・ダーネル
『血と砂』(1941年)
リタ・ヘイワース

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Black_Swan-2
『英空軍のアメリカ人』(1941年)
ベティ・グレイブル

『海の征服者』(1942年)
モーリン・オハラ

 ・第2次世界大戦中は海軍航空隊のパイロットとして活動し、戦後、『剃刀の刃』(1946年)で3年ぶりに銀幕復帰した。
 (右の写真)『剃刀の刃』 ジーン・ティアニー
Razor's_Edge

Lana_Turner
 ・1948年、アナベラと離婚。離婚が成立する前からラナ・ターナーと恋愛関係になっていたが結婚には至らなかった。
 彼女はタイロン・パワーの子供を身籠ったが中絶したことを自伝(1982年出版)で告白している。
 (左の写真)ラナ・ターナーと
 ・1949年、メキシコ人女優のリンダ・クリスチャンと再婚。娘を2人授かった。
 * リンダ・クリスチャン … 「007」の最初の映像化作品であるTV「Casino Royale(1954年)でボンド・ガールを演じた。
 (右の写真)2番目の妻リンダ・クリスチャンと
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Prince_of_Foxes-2
 ・戦後も、『狐の王子』(1949年/監督:ヘンリー・キング)、『黒ばら』(1950年/監督:ヘンリー・ハサウェイといった娯楽作品に出演し続けていたが、興行成績は伸び悩んだ。
 (左の写真)『狐の王子』 オーソン・ウェルズ(右)と

 ・演技派への転身を望んで、映画撮影の合間にロンドンの舞台「ミスタア・ロバーツ」(1950年)、ブロードウェイの舞台「John Brown's Body(1953年)等に出演し、好評を博した。
 (右の写真)コロンビア社作品『長い灰色の線』(1955年/監督:ジョン・フォード) モーリン・オハラと
The_Long_Gray_Line-2

The_Eddy_Duchin_Story-3
 ・アイドル・スターとして娯楽作品への出演を要請し続ける20世紀FOX社と決別。
 41歳で亡くなった実在のピアニスト、エディ・デューチンの伝記映画 『愛情物語』(1956年)は、コロンビア社のその年最大のヒット作となった。
 (左の写真)『愛情物語』 キム・ノヴァク

 ・1956年、リンダ・クリスチャンと離婚。その後、『二十七人の漂流者』(1957年)で共演したマイ・セッタリングと交際していたが、結婚には至らなかった。
 (右の写真)『二十七人の漂流者』マイ・セッタリングと
Seven_Waves_Away
 * マイ・セッタリング … スウェーデンの女優。後に監督となり、ミュンヘン・オリンピック(1972年)の記録映画『時よとまれ 君は美しい』の監督(8人の共同監督の1人)等を務めた。
/Deborah_Ann_Minardos ・1958年、Deborah Ann Minardosと3度目の結婚をした。
 (左の写真)3番目の妻Deborah Ann Minardos

 ・『情婦』(1957年/監督:ビリー・ワイルダーが遺作となった。大根役者とのレッテルを貼られ、アカデミー賞等の賞レースとは無縁だったが、『情婦』での演技は高い評価を得た。
 (右の写真)『情婦』マレーネ・ディートリッヒ

 ・1958年、心臓麻痺で急死。享年44歳
 撮影中だった『ソロモンとシバの女王』(1959年/監督:キング・ヴィダーは、ユル・ブリンナーが代役に起用された。
Witness_for_the_Prosecution-3

 ・リンダ・クリスチャンとの間で授かった長女のロミナ・パワーは女優・歌手(夫とのデュオ)となり、次女のタリン・パワーも女優となって、『シンドバッド虎の目大冒険』(1977年)等に出演した。

 ・彼の死の2ヶ月後に、最後の妻Deborah Ann Minardos が出産した長男のタイロン・パワー・ジュニアも俳優となり、『コクーン』(1985年/監督:ロン・ハワード)で銀幕デビューした。


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