20世紀・シネマ・パラダ イス

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Der Blaue Engel

     嘆きの天使
     Der Blaue Engel
     監督:ジョセフ・フォン・ス タンバーグ
     (1930年/ドイツ)
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 マレー ネ・ディートリッヒの出世作

 ギムナジウム(中高一貫校)で英語を教え ている堅物の中年男ラート教授
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 ある日の授業中、学生がいかがわしいブロマイドを持ち込んでいたことから、不良学生たちが 街のキャバレー「嘆きの天使」 に入り浸っていることを知った。
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 不良学生たちはその夜もキャバレーに訪れていた。そこへ、学生を取り締まるためにラー トが乗り込んで来た。逃げる生徒を追い掛けているうちに、ラートはローラ・ローラの楽屋に入ってしまった。ローラは各地のキャバレーを巡業する歌劇団の看板歌手で、ブロマ イドに写っていた女性だ。
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  主な出演者など

ラート教授役 ローラ・ローラ役
Emil Jannigs Marlene Dietrich
エミール・ヤニングス マレーネ・ディートリッヒ

 ・ドイツ初のトーキー作品。映画製作者のエリッヒ・ポマーが監督として白羽の矢 を立てたのが、ハリウッドで活躍していたジョセフ・フォン・スタンバーグ

 ・ドイツへ渡ったスタンバーグは、ベルリンの舞台に出演していた当時はほとんど無名だった マレーネ・ディートリッヒをローラ役に抜擢。
 ディートリッヒに決定する前は、グロリア・スワンソン『メトロポリス』のブリギッテ・ヘルムなどが候補だったと言われている。
 (右の写真) スタンバーグ監督とディートリッヒ
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  スクリーンテストを受けるマレーネ・ディートリッヒ



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  ・映画が進むにつれ、ラート教授が醜く老けてゆくのと対照的に、美しさを増していくローラ役のマレーネ・ディートリッヒ(当 時29歳)
 「百万ドルの脚線美」と言われたおみ足も披露し、「Falling in Love Again 」は彼女の代表曲となった。
 本作により一躍その名を轟かせたディートリッヒ。スタンバーグ監督と蜜月関係になり、ハリウッドで一時代を築くことになった。


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  ピック・アップ … エミール・ヤニングス

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  Emil Jannings 1884-1950  (ドイツ)

 ・10代から舞台に立ち、ドイツ演劇界で名優としての評価を確立。

 ・『最後の人』(1924年/監督:F・W・ムルナウ)、『ヴァ リエテ』(1925年/監督:E・A・デュボン)、『ファウスト』(1926 年/監督:F・W・ムルナウ等、 ドイツの名作映画の多くで主演を務めた。 

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Variete
『最後の人』(1924 年) 『ヴァ リエテ』(1925年)

  ・ハリウッドに招かれ、『肉体の道』(1927 年/監督:ヴィクター・フレミングと、『最後の命令』(1928年/ジョセフ・フォン・スタンバーグ) の2作の演技により、第1 回アカデミー賞主演男優賞を受賞。名実ともに映画界を代表する名優となった。
 (右の写真) オスカー像を手にするヤニングス
 授賞式は欠席している。

 
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 ・トーキーの時代となり、ドイツへ戻り、『嘆きの天使』等に出演。
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『嘆きの天使』 マレーネ・ディートリッヒと
ジョセフ・フォン・スタン バーグ監督と

 ・1933年、ヒトラー政権が成立すると熱烈な支持者となり、多くのプロパガンダ映画に出 演。その為、戦後は映画・演劇界から追放され た。

 ・1950年、オーストリアにて65歳で他界。


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