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20世紀・シネマ・パラダイス
映画界 事件＆スキャンダルの歴史
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1955年
| ジェームズ・ディーン カリフォルニアのハイウェイに散る |
９歳の時に母親を亡くしたジミーは、高校を卒業するまで伯母夫妻に育てられた。16歳の誕生日にチェコ製の小型バイクをプレゼントされ、スピードの世界に目覚めたと言われている。
24歳で亡くなるまでに、ノートン、トライアンフ、インディアン、ハーレー・ダビッドソン等、何台ものバイクを乗り換えたというから、相当なバイク好きだったことがうかがい知れる。 |
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下積みの日々を経て、初の大役『エデンの東』の主役のオファーを受けたジミーは、バイクに乗ってエリア・カザン監督の所へ挨拶に行った。そして、初対面の監督をバイクの後ろに乗せ、爆音を響かせながら近所を走り回り、関係者の眉をひそめたというエピソードも伝わっている。
（左の写真） エリア・カザン監督（前）と。『エデンの東』撮影時。このスクーターもジミーのものらしい。 |
『エデンの東』の撮影を終え、初めて手にした大金でホワイト色のポルシェ356スピードスターを購入。ハリウッド・スターとなり、高級スポーツ・カーに乗る…。夢に描いていたであろうサクセス・ストーリーを実現させた。このポルシェで何回かレースに出場し、優勝もした。２作目の主演映画『理由なき反抗』の撮影期間中も出場していたようである。
（右の写真）ポルシェ 356 に乗っているジミー |
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| ３作目の『ジャイアンツ』の撮影期間中はレースへの出場を禁止された。『エデンの東』が公開され、人気スターとなっていたジミーは、安全運転を呼び掛けるCMの撮影をしていた(９月13日）。「安全運転をしようぜ。それで命拾いするのは‟俺” の方かもしれないからね」。このCMは放映されず、お蔵入りとなった。 |
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『ジャイアンツ』の撮影終了の目安がついた頃から、レースに出場する準備をしていたようだ。
シルバー色のポルシェ550スパイダーを購入(９月21日納車）。車体には、レースでのゼッケン‟130”と彼のニックネーム‟Little Bastard ”がペイントされた。
* Bastard は「奴、野郎」の意。ジミーは身長170〜173cm だった。
(左の写真）ポルシェ550とジミー（右） |
運命の９月30日（金）。ジミーは新車のポルシェで、土・日にレースが開催される会場へ向かった。
事故に遭う２時間ほど前には、スピード違反で停車させられていた。制限速度55マイル(89キロ）のハイウェイを65マイル（105キロ）で走行していたという。
（右の写真） 事故当日のジミー（右）。助手席の男性は自動車整備士 |
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| 事故は夕方の５時45分頃、カリフォルニア州道46号線と41号線のＹ字分岐点で起きた。46号線を直進しようとしたポルシェの運転席側に、41号線に入るため左折しようしたフォード車のフロント左側が激突した。 |
* 2001年に放映されたTVドラマ「James Dean」より。ジミー役はジェームズ・フランコ
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ジミーはほぼ即死。助手席の自動車整備士は車外に投げ出されて骨折。フォード車の運転手は軽傷で済んだという。
事故の原因はジミーのスピードの出し過ぎと断定され、相手は無罪となった。ジミーのポルシェは140キロ出していたとも、90キロ程度だったとも言われている。しかし、相手側の過失を指摘する声もあり、事故の原因については諸説紛々としている。（左の写真）大破したジミーのポルシェ |
| 事故の数日前、ジミーはかつての恋人ピア・アンジェリの結婚相手ヴィック・ダモーンに偶然出会い、「彼女は幸せですか？」と尋ねたという話も伝わっているが、どうも作り話らしい。ピア・アンジェリと別れた後、ウルスラ・アンドレス、‟ヴァンパイラ”ことメイラ・ヌルミなどとの交際が噂されたが、スポーツ・カーよりも夢中になるガールフレンドはいなかったようだ。（右の写真）救急車に搬送されるジミー。左端は事故の相手のフォード車 |
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《 後日談 》 フォード車を運転していた当時23歳の大学生は、事故後に１回だけマスコミの取材に応じたが、その後は一切事故について語らず、1995年に63歳で病死した。
ジミーのポルシェに同乗していた自動車整備士は、事故後、度々非難にさらされたという。1981年、車を運転中に建物に激突して死亡した(53歳)。飲酒運転だったとも言われている。 |
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