20世紀・シネマ・パラダイス
ジャック・ベッケル
Jacques Becker
1906-1960 (フランス)
◆
代表作
肉体の冠
Casque d'or
(1952年/フランス)
現金に手を出すな
Touchez pas au grisbi
(1954年/フランス)
モンパルナスの灯
Les amants de Montparnasse
(1958年/フランス)
穴
Le Trou
(1960年/フランス)
◆
寡作ながらもフランス映画史に名を残す
・
1906年
、パリ生れ。裕福な家庭で、両親の知人だった画家のポール・セザンヌを通じて
ジャン・ルノワール
監督と知り合い、同監督の 『
Le bled
』
(1929年)
に端役で出演した後、『どん底』
(1936年)
、
『大いなる幻影』
(1937年)
といった作品で助監督を務めた。この間、1935年に2本の短編を撮った。
・1942年、初の長編 『最後の切り札』
を監督。
『最後の切り札』 (1942年)
ミレーユ・バラン
と ピエール・ルノワール
『赤い手のグッピー』 (1943年)
フェルナン・ルドウ
『偽れる装い』 (1945年)
レイモン・ルーロー と
ミシュリーヌ・プレール
・4作目 『幸福の設計』 は第2回カンヌ国際映画祭で心理・恋愛映画賞、5作目 『七月のランデヴー』 はフランスのルイ・デリュック賞を受賞。4作目から6作目は 「パリの下町3部作」 と呼ばれている。
*
第2回カンヌ国際映画祭はジャンル毎での表彰だった。
『幸福の設計』 (1947年)
ロジェ・ピゴー と クレール・マッフ
『七月のランデヴー』 (1949年)
ニコール・クールセル とダニエル・ジェラン
『エドワールとキャロリーヌ』 (1951年)
アンヌ・ヴェルノン と ダニエル・ジェラン
・『肉体の冠』 では、19世紀末のパリに実在した娼婦を演じた
シモーヌ・シニョレ
が英アカデミー賞の最優秀外国女優賞を受賞。『現金に手を出すな』 では、
ジャン・ギャバン
が
ベ
ネチア国際映画際の男優賞を受賞。
『現金に手を出すな』
は大ヒットし、フレンチ・フィルム・ノワールのブームを巻き起こした。
*
ジャン・ギャバンの男優賞 … 『われら巴里っ子』 (1954年/監督:
マルセル・カルネ
) との2作の演技が対象
『肉体の冠』 (1952年)
シモーヌ・シニョレ と ドミニク・ダヴレー
『エストラパード街』 (1953年)
ダニエル・ジェラン と アンヌ・ヴェルノン
『現金に手を出すな』 (1954年)
ジャンヌ・モロー
と ジャン・ギャバン
『アラブの盗賊』 (1954年)
フェルナンデル
『怪盗ルパン』 (1957年)
ロベール・ラムール
・画家モジリアーニの伝記映画 『モンパルナスの灯』、パリで実際に起きた脱獄事件を描いた 『穴』 と、人気の高い名作を撮り、更なる活躍が期待されていたが、『穴』 が公開される前に亡くなった。
『モンパルナスの灯』 (1958年)
ジェラール・フィリップ
と
アヌーク・エーメ
『穴』 (1960年)
・ほとんどの作品で脚本作りにも携わり、そのためかどうか残した作品は18年間で13作品。寡作ながらもフランス映画史に名を残した。
・
1960年
、
53歳
で他界。
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