20世紀・シネマ・パラダイス
シモーヌ・シニョレ
Simone Signoret
1921-1985 (フランス)
◆
代表作
輪舞
La Ronde
(1950年/フランス)
肉体の冠
Casque d'or
(1952年/フランス)
嘆きのテレーズ
Therese Raquin
(1953年/フランス)
悪魔のような女
Les Diaboliques
(1955年/フランス)
年上の女
Room at the Top
(1958年/イギリス)
これからの人生
La vie devant soi
(1977年/フランス)
◆
アカデミー賞も受賞したフランスの大女優
・
1921年
、ドイツのヴィースバーデン
(当時はフランス領)
で生れ、パリで育った。高校卒業後、新聞社で秘書をしていた時に、上司の娘で女優の
コリンヌ・リュシェール
と知り合い、演技に興味を持つようになった。
・1942年に銀幕デビュー。ナチス・ドイツの占領下だったため、ユダヤ系
(父親がユダヤ系)
と分かる本名ではなく、母親の旧姓シニョレを芸名にした。
フランソワーズ・ロゼー
主演の 『宝石館』
(1946年)
での演技により、有望な新人女優に与えられるシュザンヌ・ビアンケッティ賞を受賞した。
(右の写真) 『宝石館』 ジャック・ダクミーヌと
・1947年、映画監督のイヴ・アレグレと結婚。長女を授かったが、49年に離婚した。彼が監督した 『デデという娼婦』
(1948年)
は代表作の1つとなった。
代表作の多くで娼婦を演じた。
(左の写真) 『デデという娼婦』 マルセル・パリエロと
・オールスター・キャストの 『輪舞』
(1950年)
は英アカデミー賞の作品賞を受賞。各国でヒットし、国際的な人気スターとなった。
共演は
ジェラール・フィリップ
、
ジャン=ルイ・バロー
、
『赤い靴』
のアントン・ウォルブルック、
ダニエル・ダリュー
、シモーヌ・シモン、等々。
(右の写真) 『輪舞』 ジェラール・フィリップと
・1951年、俳優・歌手の
イヴ・モンタン
と再婚。イヴ・モンタンと
マリリン・モンロー
のアバンチュールが取りざたされたこともあったが、シモーヌ・シニョレが亡くなるまで連れ添った。
(左の写真) イヴ・モンタンと
・『肉体の冠』
(1952年/監督:
ジャック・ベッケル
)
で、英アカデミー賞の最優秀外国女優賞を受賞。
(右の写真) 『肉体の冠』 ドミニク・ダヴレー(右)と
『嘆きのテレーズ』
(1953年/監督:
マルセル・カルネ
)
ラフ・ヴァローネと
『悪魔のような女』 (1955年/監督:
アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
)
ヴェラ・クルーゾー(手前)と
・夫婦で主演した 『サレムの魔女』
(1957年)
で、英アカデミー賞の最優秀外国女優賞 (2度目)を受賞。
アーサー・ミラーの戯曲 「るつぼ」 を、哲学者のサルトルが脚色した作品。
(左の写真) 『サレムの魔女』 イヴ・モンタンと
・イギリス映画 『年上の女』
(1958年)
で、カンヌ国際映画祭の女優賞、英アカデミー賞の最優秀外国女優賞 (3度目)、米アカデミー賞の主演女優を受賞。
(右の写真) 『年上の女』 ローレンス・ハーヴェイと
・フランスの女優がイギリス映画でオスカーを獲得するという快挙を成し遂げ、国際的な大女優としての名声を揺るぎないものとした。
(左の写真) アカデミー賞授賞式にて。オスカー像を手に
『愚か者の船』 (1965年/監督:
スタンリー・クレイマー
)
オスカー・ウェルナーと
『パリは燃えているか』 (1966年/監督:
ルネ・クレマン
)
・夫婦で主演した 『告白』
(1971年)
で、ベルリン国際映画祭の女優賞 (銀熊賞) を受賞。
(右の写真) 『告白』
・『これからの人生』
(1977年)
で、セザール賞の主演女優賞を受賞。
パリのアパートで娼婦の子供たちを預かりながら暮らしているナチスの強制収容所からの生き残りであるユダヤ人の老女を演じた作品は、アカデミー賞の外国語映画賞を受賞した。
(左の写真) 『これからの人生』
・1976年には自伝を出版。
・小説 「女の一生」 等の作家ギ・ド・モーパッサンの伝記映画 『
Guy de Maupassant
』
(1982年)
が最後に出演した劇場用映画となった。
・
1985年
、
64歳
で他界。
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