20世紀・シネマ・パラダ イス

filmbar
Therese_Raquin

     嘆きのテレーズ
     Therese Raquin
     監督:マルセル・カルネ
     (1953年/フランス)
filmbar

 
 2転3転 するラストが秀逸。日本で高く評価されたマルセル・カルネ監督の傑作

 病弱でマザコンの夫カミーユと、 息子を溺愛している姑のラカン夫人と暮らしているテ レーズ
 ある日、リヨン駅で貨物点検の仕事をしていたカミーユが、イタリア人のトラック運転手ローランと 知り合い、意気投合。酒に酔い潰れ、ローマンに抱えられて帰宅した。
Therese_Raquin-1
Therese_Raquin-2
 ラカン家では、毎週決まって木曜日に、友人を招いて競馬ゲームをしており、ローランも招待 された。
 ローランは、テレーズが満ち足りぬ思いでいることを察した。
 ローランは意を決してテレーズを訪ね、駆け落ちしようと訴えた。
 幼い頃に両親を亡くしたテレーズは、生地店を営む叔母のラカンに引き取られて以来、病弱な従兄のカミーユを看病し、結婚させられた過去を語り、駆け落ち は無理な相談だと応えた。
Therese_Raquin-3
Therese_Raquin-4
 木曜日。競馬ゲームに招かれたローランは、1人窓辺に佇んでいるテレーズに近づいた。そし て、想い合っている2人は黙って唇を重ねた…。
 ローランとテレーズは初めて外で密会した。10数年間、裁縫と看病と店の会計だけの生活だったと言うテレーズに、ローランは改めて駆け落ちを迫った…。

  


  主な出演者など

Therese_Raquin-15
 テレーズ役 … シモーヌ・シニョレ Simone Signoret
 ローラン役 … ラフ・ヴァローネ Raf Vallone
 カミーユ役 … ジャック・デュビー Jacques Duby
 姑のラカン夫人役 … シルヴィー Sylvie
 復員兵役 … ローラン・ルザッフル Roland Lesaffre

 ・原作は、自然主義の文豪エミール・ゾラが1867年に発表した小説 「テレーズ・ラカン」 。サイレント期の1915年と1928年 (監督:ジャック・フェデーに映画化されており、本作は3度目の映画化作 品。
 (右の写真) 『テレーズ・ラカン』 (1928年)。オリジナル・ストーリーでは、夫のカミーユは
  ボートの転落を装って殺害された。

Therese_Raquin-19

Therese_Raquin-18
 ・原作では、結婚したテレーズとローランが、殺害したカミーユの亡霊 (幻覚) に悩まされ、新たな悲劇に見舞われる…という展開だが、本作では原作には登場していない第3者 (復員兵) が加えられた。従って、2転、3転するラストは、マルセル・カルネ監督が脚色した独自のストーリーである。
 (左の写真) 撮影時。シモーヌ・シニョレ、ラフ・ヴァローネ(中央)、
  マルセル・カルネ監督 (右)


 ・ヴェネツィア国際映画祭に出品され、銀獅子賞を受賞。この年は金獅子賞が該当作品なしと され、本作の他、『雨月物語』 (日本/監督:溝口健二)
『赤い風車』 (イギリス/監督:ジョン・ヒューストン 等、合計6作品に銀獅子賞が贈られた。
 
Therese_Raquin-16

Therese_Raquin-17
 ・キネマ旬報社のベスト・テン (昭和29年度) で は、『恐怖の報酬』 (第2位)、『波止場』 (第4位)、『ローマの休日』 (第6位)といった作品を抑え、第1位に選出された。



  ピック・アップ … ラフ・ヴァローネ

Raf_Vallone  Raf Vallone  1916-2002  (イタリア)

 ・1916年、イタリアのトロペーアで生れ、子供の頃にトリノに引っ越した。若い頃はサッカー選手として活躍。ユース・チームを経て、ト リノFCに昇格したセリアAでのデビュー・シーズン (1934〜1935年) には、チームがコッパ・イタリアで優勝するのに貢献した。

 ・1941年、サッカー選手を引退し、新聞記者となった。翌42年、アリダ・ヴァリ主 演の
『われら生きるもの』 (1942年) に 端役で出演したが、俳優になるつもりはなく、ジャーナリストとしての仕事を続けていたが、ジュゼッペ・デ・サンティス監督にスカウトされて 『にがい米』 (1949年) に出演。 作品が大ヒットし、俳優となる決心をした。
Riso_Amaro
Therese_Raquin-20
『にがい米』 シルヴァーナ・マンガーノ
『嘆きのテレーズ』 シモーヌ・シニョレと

 ・チャールトン・ヘストン主演の 『エル・シド』 (1960年) でハリウッドにも進出。
 欧米の映画、舞台、TVで活躍した。
 (右の写真) 『ゴッドファーザー PART V』 (1990年) アル・パチーノ(左)と

 ・2002年86歳で他界。
The_Godfather_Part_III
 
HOME