20世紀・シネマ・パラダ イス

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     にがい米
     Riso Amaro
     監督:ジュゼッペ・デ・サンティス
     (1949年/イタリア)
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 多くの ニュー・フェイスを輩出した戦後イタリアの大ヒット作

 5月初旬。田植えに向かう季節労働者たちで溢れるトリノの駅。宝石泥棒のウォルターは恋人のフランチェスカに 盗品を手渡し逃亡した。ヴェルチェッリ行きの出稼ぎ専用車に乗ったフランチェスカは、乗り合わせたシルヴァー ナに誘われ農場へ向かった。
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 農場の宿舎に到着した。フランチェスカは宝石を盗まれた挙句、雇用契約を交わしていない者 は帰れと言われてしまった。盗人はシルヴァーナだ。彼女は刑事に追われているウォルターとフランチェスカが一緒のところを目撃していたのだった…。
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 契約を交わしていない労働者は他にも多くいた。彼女たちは水田に潜り込み、正規の労働者た ちに 負けぬよう田植え作業に取り組み始めた。
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 シルヴァーナがけしかけ、正規組と潜り組が取っ組み合いの喧嘩を始めたが、近場でキャンプ を張っている軍隊のマルコ軍曹喧嘩 を収めた。
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 マルコに諭され、シルヴァーナは宝石をフランチェスカに返した。
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 『にがい米』 予告編動画



  主な出演者など 

シルヴァーナ役シルヴァーナ・ マンガーノ
ウォルター役 … ヴィットリオ・ガスマン
フランチェスカ役 … ドリス・ダウリング
・マルコ役
ラフ・ヴァローネ
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 ・『郵便配達は二度ベルを鳴らす』(1943年/監督:ルキノ・ヴィスコンティの脚本・助監督等を経て、『荒野の抱擁』(1947年)で監督デビュー をしたジュゼッペ・デ・サンティスの2作目。本作で米アカデミー賞の原案賞にノミネートもされた。サンティス監督はその後、シルヴァーナ・マンガーノ主演 の『人間と狼』(1956年)、ラフ・ヴァ ローネ主演の『女の部屋』(1960年)等を撮った。 Riso_amaro-20

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 ・公開当時、話題を独占したのがシルヴァーナ・マンガーノ。ほとんど無名の新人だった が、サンティス監督に抜擢されてヒロインに起用された。圧倒的な肉体美から、日本では‟原爆女優”と呼ばれた。
 本作の製作総指揮者ディノ・デ・ラウレンティスと結婚し、イタリアを代表する女優の1人となった。

 ・ヴィットリオ・ガスマン、ラフ・ヴァローネの2人も、本作の成功を足掛かりに大スターへ の階段を駆け上がって行った。
 ドリス・ダウリングは元々ハリウッド女優で、『失われた週末』(1945年/監督:ビリー・ ワイルダー等に出演していたが、更なる活躍の場を求めてイタリアへ渡って本作に出演。代表作の1つとなった。
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    ピック・アップ … ヴィットリオ・ガスマン

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 Vittorio Gassman  1922-2000年 (イタリア)

 ・1942年に舞台俳優としてデビューし、1945年に銀幕デビュー。『にがい米』(1949年)が大 ヒットし、人気スターとなった。国際的な知名度では同時代のマルチェロ・マス トロヤンニに引けを取るが、本国では同等の人気を誇り、イタリアのアカデミー賞と言われているダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の主演男優賞を最多 の7回受賞した。尚、喜劇俳優のアルベルト・ソルディも7回受賞し、マルチェロ・マストロヤンニは5回受賞している。

 ・ハリウッドにも進出し、『ラプソディ-』(1954 年)等に出演。 生涯で3度結婚したが、2番目の妻(1952〜1954年)はハリウッド女優のシェリー・ウィン ター ス。 『マンボ』(1954年/主演:シルヴァーナ・マンガーノ)で共演もした。
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『にがい米』(1949 年)
シルヴァーナ・マンガーノと

『ラプソディー』 (1954年)
エリザベス・テイラー
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『美女の中の美女』 (1955年)
ジーナ・ロロブリジータ
『戦争と平和』(1956 年)
オードリー・ヘップバーン

 ・『女の香』(1974年)でカ ン ヌ国際映画祭の男優賞を受賞。

 ・1996年、ヴェネツィア国際映画祭の栄誉金獅子賞を受賞。

 ・2000年77歳で他界。
 (右の写真)シェリー・ウィンタースと
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