20世紀・シネマ・パラダ
イス
|
ピクニック
Picnic
監督:ジョシュア・ローガン
(1955年/アメリカ)
|
◆ ピュー
リッツアー賞を受賞した舞台劇の映画化作品
労働感謝の日(9月の第1月曜日)の
朝。カンザスのとある町に着いた貨車から、ハルという若者が降り立った。着の身着のまま文無し
のハルは、通りかかったポッツ家の庭掃除と引き換えに朝食にありつき、隣のオウェンス家の4人の女性 〜 シングルマザーのフロー、長女のマッジ、次女のミリー、同居人の教師ローズマリー 〜
とも顔見知りとなった。 |
ハルがこの町へ来たのは、大学時代の友人で実業家の息子であるアランに会い、職を得るためだった。アランはハルを歓迎した。マッジはアラン
の恋人であり、フローは2人が結婚することを願っていたが、マッジは結婚に踏み切れないでいた。 |
この町では、労働感謝の日にピクニックに出かける習慣があり、ハルはミリーと、オールドミ
ス
のローズマリーは雑貨店を営むハワードと同伴することになった。 |
川沿いのピクニック会場に町中の人々が集い、さまざまな催し物に興じた。 |
夜。マッジが今年の女王に選ばれた。ハルとマッジがダンスをしていると、酒に酔ったローズ
マリーが自分とダンスをするようハルに絡みだし、ミリーも悪酔いして、ちょっとした騒動となってしまった。
|
ローズマリーが激しい言葉でハルを非難し、ハルはアランから愛想を尽かされてしまった。
|
いたたまれず逃げるように立ち去ったハルの後をマッジが追い、2人は愛し合っていることを
確認した。ハルが車を返しに行くと、アランはハルを車泥棒だと訴えた…。
|
|
『ピクニック』 予告編
|
◆ 主な出演者など
・ピューリッツアー賞(戯曲部門)を受
賞したブロードウェイ劇(1953年)の映画化作品で、舞台もジョシュア・ローガンが監督を務めていた。
この舞台で、ポール・ニューマンがブロードウェイ・デビュー(アラン役)を果たしてい
る。
(右の写真)撮影時。ジョシュア・ローガン監督、ウィリアム・ホールデン
|
|
|
・ウィリアム・ホールデンは当時37歳で、ハルを演じるには年を取り過ぎていると感じ、1
度は辞退したとも言われている。上半身裸のシーンでは胸毛を剃って撮影に臨んでいた。
(左の写真)左から、キム・ノヴァク、スーザン・ストラスバーグ、ウィリアム・ホールデン、クリフ・ロバートソン
|
・アカデミー賞の作品賞、監督賞、助演男優賞(アー
サー・オコンネル)、劇・喜劇映画音楽賞、美
術・装置賞、編集賞の6部門でノミネートされ、美術・装置賞、編集賞の2部門で受賞。アーサー・オコンネルは舞台でも同じ役を演じていた。ロザリン
ド・ラッセルは助演女優賞の有力候補と評判だったが、本人が主演女優賞でのノミネートを希望したため、選外になったと言われている。
(右の写真)アーサー・オコンネル、ロザリンド・ラッセル
|
|
◆ ピックアップ … ジョシュア・ローガン監督
|
Joshua Logan 1908
-1988(アメリカ)
・プリンストン大学在学中から演劇活動に打ち込み、奨学金を得て、モスクワでコ
ンスタンチン・スタニスラフスキーから演技を学んだ。尚、プリンストン大学時代から、同窓のジェームズ・ステュアートとは友人だった。
・帰国後、1932年に舞台俳優としてデビューし、その後、演出家に転身した。
|
・戦後、ブロードウェイで「アニーよ銃をとれ」(1946
年〜)、「ミスタア・ロバーツ」(1948年〜)、「南太平洋」(1949年〜)といった大ヒット作を演出。
* ブロードウェイの歴代ロングラン公演
…
「南太平洋」(第34位)、「ミスタア・ロバーツ」(第89位)、「アニーよ銃をとれ」(第90位)。(2016年現在)
・『ピクニック』(1955年)で映画監督として本格的にデビューし、『バス停留所』(1956年)、『サヨナラ』(1957年)、『南太平洋』(1958年)等、9作品を監督した。 |
・『ピクニック』と『サヨナラ』
でアカデミー賞監督賞にノミネートされ、『サヨナラ』では、日本人のナンシー梅木にオスカー(助演女優賞)を
もたらした。 |
|