映画『草原の輝き』 (1961年）ー青春の苦悩と蹉跌を描いた名匠エリア・カザンの人気作品ー 20世紀・シネマ・パラダイス

　バッドは、イエール大学には進学せずにディーニーと結婚すると父親に意見した。しかし、結局は父親に言い含められてしまった。

　ジニーは相変わらず、次々と男を乗り換えては堕落した生活を送っていた。バッドはそんな姉を諫めたが、反対に言い返されてしまった。「意気地なし。パパの言いなりね。今に後悔するわよ 」。

　バッドがディーニーを避けるようになった。キスだけで終わることに耐えられないからだ。苦悶の日々を送るうちに、バッドは肺炎でダウンしてしまった。医者にディーニーとの事を相談したが、もとより内科医から答えが得られるはずもなかった。

　体は全快したが、気持ちはくすぶったままだ。バッドは尻軽の同級生ファニタと肉体関係を持ってしまった。

　バッドとファニタの事は学校中に知れ渡った。ショックを受けたディーニーは授業中に錯乱状態に陥ってしまった。

　バッドはディーニーから身を引く覚悟を固めた。ディーニーは学校を休み、自宅で療養していたが、一向に回復する様子が見られなかった。

　ディーニーはプレイボーイの同級生アレンに誘われて学校の卒業パーティーに出向き、会場でバッドの姿を見つけると、彼を車の中に誘った。　バッド「君の自尊心はどうしたんだ 」。　ディーニー「自尊心なんて構わないわ 」。
　バッドに拒まれたディーニーは、「死にたい 」と言い残して駆け去った。

　ディーニーはアレンに拾われ、体を求められたが、振り払った。絶望したディーニーは川へ身を投じた。

　ディーニーは救出されたが、精神的に大きなダメージを受けていた。バッドは病院へ駆けつけたが、ディーニーを助けたいのであれば会わないことだと医者から忠告された。

　数ヶ月後。イエール大学に進学したものの、酒浸りの生活を送っていたバッドは、レストランの娘アンジェリーナと親しくなった。一方、療養所に入ったディーニーは、同じ患者で外科医のジョニーと親しくなっていた。

　1929年10月、ウォール街の株式市場で株価が大暴落し、バッドの父親の会社も壊滅的な打撃を受けた。バッドの父親は、退学になりそうな息子をニューヨークに連れ出し、ディーニーに似た酒場の踊り子を買収してホテルのバッドの部屋に送り込んだ後、窓から身を投げて自殺した。

　ディーニーは社会復帰する日を迎えた。２年半担当だった医師との最後の面談の席で、ジョニーからの求婚に応じるつもりだと告げると、バッドに会って自分の気持ちを確かめろと助言された。

　ディーニーが帰宅すると、かつての級友たちが訪ねて来た。ディーニーの母親は、級友たちにバッドの居場所は知らないと口裏を合わせるように頼んだ。しかし、ディーニーがバッドと会うと告げると、父親が彼の居場所を教えた。ディーニーはそんな父親に感謝のキスをし、級友たちとバッドの所へ向かった…。