20世紀・シネマ・パラダ イス

filmbar
Waterloo Bridge

       哀愁
        Waterloo Bridge
        監督:マー ヴィン・ルロイ
        (1940年/アメリカ)
filmbar

  根強い人気を誇る悲恋ロマンスの古典的名作

 1939年9月3日のロンドン。イギリスがド イツに宣戦布告した日の夜。
 英国陸軍のロイ・クローニン大佐は、出征のため軍用車で駅へ向かう途中、ウォータールー橋で 車から降りた。その場所は、彼にとって忘れることの出来ない思い出の地だ。胸の内ポケットから人形を取り出した大佐は、その人形の持ち主だった女性と過ご した日々を追想していた…。
Waterloo Bridge-1 Waterloo Bridge-2

 1917年のロンドン。フランス戦線への出征 を明日に控えたロイ・クローニン大尉が、ウォータールー橋で一服していると、空襲警報が鳴った。避難する途中で、ハンドバックの中身(人形も)を落とした女性を助け、一緒に地下街へ避難した。
Waterloo_Bridge-3 Waterloo_Bridge-4

 彼女の名はマイラ・レスター。 マダム・キロワ・バレー団の踊り子。空襲が止み、マイラはタクシーで劇場へ向かうことに。別れ 際、マイラは大切にしていた幸運のお守りの人形をロイに贈った。
Waterloo_Bridge-5 Waterloo_Bridge-6

 マイラが舞台(「白鳥の湖」)で踊っていると、観客席に、大佐と食事の約束があるので来ら れないと言っていたロイの姿があった。
Waterloo_Bridge-7 Waterloo_Bridge-7-2
Waterloo_Bridge-8

 公演後、マダム・キロワによる 反省会が開かれている楽屋に、マイラ宛の手紙が届いた。マイラは皆の前で声を出して手紙を読むよう命じられた。ロイからの食事の誘いの手紙だった。踊り子 たちの異性交際を禁じているマダム・キロワは、マイラその 場で断りの手紙を書かせた。 Waterloo_Bridge-9


  


youtubelogo
 『哀愁』 予告編



Waterloo Bridge-63 Waterloo Bridge-64 Waterloo Bridge-65


  主な出演者など

Waterloo Bridge-66
マイラ・レス ター役 ヴィヴィアン・リー
ロイ・クローニン役 ロ バート・テイラー
キティ役 … ヴァージニア・フィールド
叔父役 … C・オーブリー・スミス
母親役 … ルシル・ワトソン
Waterloo_Bridge-74.


youtubelogo
 『哀愁』 淀川長治さんの解説



 ・1930年にブロードウェイで上演されたロバート・E・シャーウッドの戯曲「Waterloo Bridge」の2度目の映画化。最初の映画化作品の邦題は『ウォタルウ橋』(1931年)『フランケンシュタイン』(1931年)の メイ・クラークがヒロインを演じた。『哀愁』のラストで、マイラに話しかける老婆を演じたリタ・カーライルは、『ウォタルウ橋』 にも出演している。
 (右の写真)『ウォタルウ橋』 メイ・クラーク、ケント・ダグラス(=別名ダグラス・モンゴメリー)
Waterloo_Bridge-1931
 * ロバート・E・シャーウッド … 『我等の生涯の最良の年』(1946年)でアカデミー賞脚 色賞を受賞

Waterloo_Bridge-77  ・淀川長治さん曰く、ヴィヴィアン・リーは、エリザベス・テイラーマリリン・モンローと並ぶ映画史上の3大美女。そして、ロバート・テイラーは、頭から 足の 先まで美男子。
 当時、ヴィヴィアン・リーは26歳、ロバート・テイラーは28歳。両人とも、自身の出演作品の中で最も好きな作品が『哀愁』だった。
 (左の写真)左から、ロバート・テイラー、マーヴィン・ル ロイ監督、ヴィヴィアン・リー

 ・ヴィヴィアン・リーとロバート・テイラーは、『響け凱歌』(1938年)以来の再共演。『響け凱歌』は、ヴィヴィアン・リーが『風と共に去りぬ』(1939年)で 大ブレイクする前の作品で、彼女は準ヒロインだった。
 (右の写真)『響け凱歌』 ロバート・テイラー、ヴィヴィアン・リー
A_Yank_at_Oxford

Waterloo Bridge-67  ・『哀愁』は、アカデミー賞では、撮影賞(白黒部門)と 作曲賞の2部門でノミネートされたが、受賞には至らなかった。
 「別れのワルツ (蛍の光)」の原曲はスコットランドの民謡。主人公ロイの故郷がスコットランドという設定のため選曲されたものと思われる。
 (左の写真)左から、ヴィヴィアン・リー、マーヴィン・ルロイ監督、ロバート・テイラー

 ・『哀愁』、映画を生かす名邦題。何度観ても、「別れのワルツ (蛍の光)」の調べと共に、余韻が残る愛の名作。

 ・「質問、疑問は無用だ…。君 は私と結婚するんだ」。すごいプロポーズ。もし断わられたら、滅茶苦茶カッコ悪いですね(笑)。
Waterloo_Bridge-67

  ギャラリー

Waterloo_Bridge-73-4
Waterloo Bridge-73-2 Waterloo_Bridge-73-3

Waterloo_Bridge-75
Waterloo_Bridge-75-2
Waterloo_Bridge-75-3

Waterloo_Bridge-70-2
Waterloo_Bridge-70
Waterloo_Bridge-70-3


HOME




 ← 映画に登場した幸運の守り神
 ビリケンのストラップ。
 この映画を観る限り、ご利益は???