20世紀・シネマ・パラダ イス

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     赤い河
     Red River
     監督:ハワード・ホークス
     (1948年/アメリカ)
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 ジョン・ ウェインの人気を決定づけた傑作西部劇

 1851年。カリフォルニアへ向かう幌馬車隊に同行していたダンソンと友人のグルートは、テキサスの北境 で隊から
離れることにした。ダンソンは牧場主となる志を抱いており、うってつけの土地を見つけていた のだ。
 ダンソンの恋人のフェンが一緒に行きたいと懇願したが、「女には無理だ 」 と断った。ダンソンは母の形見のブレスレットを差し出し、「いつか必ず迎えに行く 」 と別れを告げた。
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Red_River-2  2人はレッド・リバーのほとりで野営することにした。川を渡ればテキサスだ。
 振り返ると、幌馬車隊が向かった先から黒煙が立ち上っていた。インディアンに襲撃されたのだ。助けに行くには遠すぎる。2人はフェンの無事を祈るばかり だった。
 その夜、インディアンが襲って来たが撃退した。始末した1人がブレスレットをはめていた。 やはりフェンは殺されたのだった。
 翌朝、牛を連れた少年が現れた。幌馬車隊の生き残りだ。ダンソンはその少年マシュウを一緒に 連れて行くことにした。
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 3人はテキサスを南下し、リオ・グランデの地に着いた。ここを牧場にすると決め、連れてき た一つがいの牛に烙印を押している時、2人のメキシコ人が現れ、立ち退きを 迫った。ダンソンが拒むと相手は銃を抜いたが、早撃ちのダンソンが撃ち殺した。
 ダンソンはこの地をテキサス一の牧場にすると誓った…。
 14年後。南北戦争が終わり、出征していたマシュウが戻って来た。
 ダンソンは数千頭もの牛を抱える大牧場主となっていたが、テキサスは不景気で商売が成り立たなくなっていた。
 ダンソンはミズーリまでキャトル・ドライヴをする決意を固めた。
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 ダンソンの話を聞きつけた近隣の牧場主ミーカーが、紛れ込んでいる自分の牛を引き取りに来 た。
 ダンソンは牛を選別する時間が無いと拒み、無事に戻って来たら相応の代金を支払うとし、折り合いをつけた。
 ミーカーの用心棒のチェリーが ミズーリ行きを志願し、ダンソンに雇われることとなった。
 チェリーは早撃ち自慢で、その腕前はダンソン仕込みのマシュウと互角であった。
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 出発前夜、皆が集う酒場に現れたダンソンは、同行者には途中で抜け出すことを認めないと語 り、契約書にサインを求めた。
 近隣の弱小牧場主たちの中にも同行を希望し、サインする者がいた。
 翌朝、牧場には9千頭の牛とカウボーイたちが待機していた。
 ダンソンがミズーリ行きを宣言すると、カウボーイたちが次々と雄叫びを上げ、1600キロに及ぶロング・ドライヴが始まった。
  長距離の牛追い (キャトル・ドライヴ) を ロング・ドライヴ と言う。
        1600キロというと日本の本州よりも長い。

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 『赤い河』 予告編


  主な出演者など 

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 ・ダンソン役 … ジョン・ウェイン John Wayne
 ・マシュウ役 … モン ゴメリー・クリフト Montgomery Clift
 ・グルート役 … ウォル ター・ブレナン Walter Brennan
 ・ミレー役 … ジョアン・ドルー Joanne Dru
 ・チェリー役 … ジョン・アイアランド John Ireland

 ・ハワード・ホークス監督初 の西部劇。1946年に撮影されたが、ハワード・ヒューズから、『ならず者』 (1943年) の著作権を侵害した箇所があると提訴され、公開が2年ほど遅れた。
 雑誌 「サタデー・イヴニング・ポスト」 に掲載された原案では、ダンソンはアビリーンでチェリーに撃ち殺され、マシュウが彼の亡骸をテキサスに埋葬するというストーリーになっている。
 * 『ならず者』 …当初はホークスが監督であったが、途中でヒューズに交代した作品。
  (右の写真) 左から、ジョン・ウェイン、ハワード・ホークス、モンゴメリー・クリフト
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 ・ダンソン役は、ゲーリー・クー パーが自分のイメージと合わないと辞退し、ジョン・ウェインがホークス監督作品に初めて起用された。
 『駅馬車』 (1939年) で人気スターになったものの、あまり作品に恵まれていなかったが、本作の大ヒットにより、ウエスタン・ヒーローとしての地位を不動のものとした。

 ・マシュウ役のモンゴメリー・クリフトは映画初出演。本作は公開が遅れたため、次作の方が 先 に公開されることとなった。
 ホークス監督とジョン・ウェインが再び組んだ 『リオ・ブラボー』 (1959年) や、『真昼の決闘』 (1952年)、『シェーン』 (1953 年) といったウエスタンの名作への出演を辞退している。
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 ・ホークス監督作品のヒロインは勝気であることが特徴だが、本作のミレーもまた然り。
 ミレー役のジョアン・ドルーとチェリー役のジョン・アイアランドは、本作での共演後、1949年に結婚 (57年に離婚) している。
  (左の写真) 左からジョン・アイアランド、モンゴメリー・クリフト、ジョアン・ドルー

 ・サイレント期の西部劇の大スター、ハリー・ケリー (メ ルビル役) と息子のジュニア (ダン役) が、同じシーンはないものの親子で出演。ハ リー・ケリーは本作公開の前年に亡くなっており、最初で最後の親子共演作となった。

 ・アカデミー賞では、不利とされる西部劇というジャンルであり、大手スタジオの作品でもな い ため、原案賞、編集賞の2部門でノミネートされただけであった。
 しかし、AFI (アメリカ映画協会) が2008年に選定した 「西部劇ベスト10」 では第5位にランクイン。真っ当な評価を得た。
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