| 20世紀・シネマ・パラダ
イス
 
  
 
        
          
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 | アパートの鍵貸します
 The Apartment
 監督:ビリー・ワイルダー
 (1960年/アメリカ)
 
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 ◆ ビリー・ワイルダー監督がオスカー像を3つ獲得した珠玉のラブ・コメディ
 
 
 
        
          
            | ニューヨークの大手保険会社。平社員のバドは
今日も残業だ。仕事が溜まっている訳ではなく、帰る場所がないからだ。と言うのも、アパートの部屋を逢びきの場所として課長に提供しているからだ。 |  
        
          
            | 部屋を貸すのは8時までの約束だったが1時間も延長をくらってしまった。遅い夕食を済ま
せ、ベッドに入ると電話のベルが鳴った。別の課長が部屋を貸せと言ってきた。 |  
        
          
            | バドは4人の課長たちに部屋を貸している。無理に断ると人事考課に悪影響する。バドは
パジャマの上にコートを羽織り、寒空の下に…。 |  
        
          
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            | バドは風邪を引いてしまった。前夜、課長が間違って別の鍵を置いて行ったせいで、明け方ま
で部屋に入れなかったからだ。 今夜の部屋貸しは中止だ。バドは4人の課長たちに順次電話を入れ、スケジュールを調整することに追われた。
 
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 | 人事部長のシェルドレイクから
呼び出された。きっと昇進の話だ。バドはエレベーター
で上階の部長室へ向かった。 
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            | シェルドレイクはバドがアパートの部屋を貸して課長たちの歓心を買っていることを知ってい
た。バドが昇進を諦めた時、シェ
ルドレイクから今晩部屋を貸して欲しいとの申し出があった。バドはアパートの鍵を差し出し、管理職への昇進を内示された。 
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 | シェルドレイクからミュージカルのチケットを渡された
(この時間に部屋を借りるとの含みで) バドは、想いを寄せていたエレベーター嬢のフランを
誘った。 彼女は人と会う予定があるとの事で、8時半に劇場の前で待ち合わせることになった。
 
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            | フランは愛人のシェルドレイクと会っていた。フランは別れ話を切り出した
が、シェルドレイクは妻と離婚すると言い含め、フランを連れてバドのアパートへ向かった。そんな2人の姿を、シェルドレイクの秘書のオルセンが目撃していた。そして、バドは劇場の前で待ちぼうけを食った…。 
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            | バドは大部屋の平社員から個室待遇の係長に昇進した。例の4人の課長たちが訪ねて来て、最
近バドが非協力的だとなじったが、部長のシェルドレイクが姿を現すと、課長たちはそそくさと退散した。 
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            | クリスマス・イヴ。社内でパーティーが始まったが、バドとフランには辛いイヴとなった。フ
ランは、かつてシェルドレイクの愛人だったオルセンから、シェルドレイクが離婚話を持ち出すのは常套手段だと耳打ちされた。バドはある事 (フランが鏡の割れたコンパクトの持ち主だった事) でフランがシェルドレイクの愛人だと知ってしまった。 
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            | この夜もアパートの部屋は予約が入っていた。バドがバーでヤケ酒を煽っていると年増の女性
が声を掛けて来た…。 
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            | その頃、バドのアパートの部屋では、シェルドレイクがずっと泣き通しのフランを持て余して
いた…。 
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            | バーが閉店となり、バドが帰宅するとフランが睡眠薬で自殺を図っていた。隣人の医師ドレイファスの治療で、フランは一命を取り留めた。 
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            | 翌日。会社では、シェルドレイクが告げ口をしたオルセンを解雇した。アパートの部屋では、
バドが会社を欠勤してフランの看病をしていた。 
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            | フランが2日も無断で家を空けたため、案じた義兄が居場所を突き止めて訪ねて来た。バドは
フランをたぶらかした不埒者と勘違いされ、パンチを見舞われた。 
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            | 翌日。目に青あざが残るバドは一大決心をして出社した。シェルドレイクにフランとの交際を宣言するつもりだったが、その決心は無残にも砕け散った。オルセ
ンに浮気を暴露され、妻から三下り半を突きつけられたシェルドレイクがフランとの結婚を決心していたのだった。バドは人事部の副部長に昇進したが…。 
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 | 『アパートの鍵貸します』 予告編動画 
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 ◆ 主な出演者など
 
 
 
        
          
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 | ・バド役 … ジャック・レモン Jack Lemmon
 ・フラン役
 … シャーリー・マクレーン Shirley MacLaine
 ・シェルドレイク役
 … フレッド・マクマレー Fred MacMurray
 
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            | ・ビリー・ワイルダーと I・A・L・ダイヤモンドによるオリジナル・ストーリー。 数多くの名作を手掛けたワイルダー監督が、「特別に誇りに思う 」 と語った珠玉のラブ・コメディ。
 アカデミー賞では10部門でノミネートされ、作品賞、監督賞、脚本賞、美術賞(白黒部門)、編集賞の5
部門で受賞した。
 (右の写真) 撮影時。ジャック・レモン(左) とワイルダー監督
 
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 | ・アカデミー賞授賞式でのビリー・ワイルダーのスピーチ (作品賞受賞時)。 「この賞はチーム全体に与えられたものです…。しかし、これ (オスカー像)
を半分にして、最も貴重な役者ジャック・レモンとシャーリー・マクレーンに与えることが適切だと思う…」
。ジャック・レモンとシャーリー・マクレーンは主演賞にノミネートされていたが、受賞は逃していた。
 (左の写真) 撮影時。ワイルダー監督 と シャーリー・マクレーン
 
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            | ・ビリー・ワイルダーは製作者、監督、脚本家として3つのオスカー像を獲得。同一人物が同
一作品で作品賞、監督賞、脚本賞の3部門を受賞したのは、『我が道を往く』 (1944年) のレオ・マッケリー以来の偉業
だった。 (右の写真) アカデミー賞授賞式でのビリー・ワイルダー
 
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 ◆ ピックアップ … フレッド・マクマレー
 
 
 
        
          
            |   | Fred MacMurray  
            1908-1991    (アメリカ) 
 ・1908年、イリノイ州生れ。ジャズのビッグバンドでサックス奏者、ヴォーカリストとして活動した後、1930年にブロードウェイ・デビュー。ボブ・ホープの出世作となったミュージカル・コメディ 「ロバータ」 (1933年) に出演している時にスカウトされ、パラマウント社と契約した。
 
 
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            | ・多くの作品で善人を演じたが、殺人を犯す保険外交員を演じた 『深夜の告白』 (1944年/監督:ビリー・ワイルダー)、部下と浮気する人事部長を演じた 『アパートの鍵貸します』 (1960年) が代表作となった。 
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            | 『ボクはむく犬』
(1959年) 
 | 『アパートの鍵貸します』
(1960年) ジャック・レモン(左)と 
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            | ・『ボクはむく犬』 (1959年)、
『うっかり博士の大発明 フラバァ』 (1961年)、『歌声は青空高く』 (1966年)、『最高にしあわせ』(1967年)
といったディズニー作品に出演し、ディズニー・レジェンド賞の最初の受賞者 (1987年) となった。 1991年、83歳で他界。
 
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