20世紀・シネマ・パラダ
イス
◆ ラオー
ル・ウォルシュ監督の傑作西部劇
数々の悪事を働いて投獄されていたウェス・
マッ
クィーンは、仲間のデイヴの手配で脱獄し、彼が待つコロラド州へ向かうことに
なった。道中、搭乗していた駅馬車が強盗団に襲撃されたが、これを撃退したウェスは謝礼として馬を手に入れ、デイヴが指定したトードス・サントスへ向かっ
た。 |
廃墟の町トードス・サントスでは、見知らぬ2人の男と1人の女が待っていた。2人の男レノとデュークは、デイヴが計画している列車
強盗の仲間だという。そして、レノに拾われたという先住民と白人の混血の女コロラド・カーソンは
ウェスに好意を抱いた。 |
ウェスは100キロ程離れたポトレロの町にいるデイヴを訪ねることにしたが、その前に、駅
馬
車に同乗していたフレッドとジュリー・アンの
ウィンスロー父娘の牧場に立ち寄った。
大きな期待を持って新天地へやって来たフレッドであったが、いざ牧場に着いてみると井戸が無く、困窮している様子だった。 |
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デイヴと再会したウェスは堅気になるつもりだと打ち明けたが、病に冒され金に困っている
デ
イヴに頼まれ、今一度だけ列車強盗をする約束をした。
デイヴによるとレノとデュークの2人はプルスナーから紹介されたので信用できるとの事だっ
た。だが、彼等3人はデイヴとウェスを裏切る算段を立てていた…。 |
ウェスはデイヴから渡された以前のヤマの報酬でジュリー・アンにドレスを買い、残りの
900ドルを井戸が無くて困っているフレッドに差し出した。ウェスは、自分が投獄されている間に死んだ恋人に似ているジュリー・アンにほのかな想いを寄せ
ていたのだった。 |
トードス・サントスのアジトへ戻ると3人が内輪もめをしていたがウェスが治めた。列車強盗
の日が決まったが、ウェスはプルスナーのことを信用しておらず、一抹の不安を感じていた…。 |
ウェスはコロラドから愛を告白されたが、彼は大金を手に入れたら
ジュリー・アンと暮らすこ
とを夢見ていた。
4人が列車強盗の打ち合わせをしていると、誰もいないはずの礼拝堂から鐘の音が聞こえてきた。各地を巡回している修道士が打ち鳴らしていたのだった。
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列車強盗の日。ウェスは仲間を装っていた車掌とレノ、デュークの
裏をかき、10万
ド
ルを手に入れた。
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ウェスとコロラドはデイヴの家へ向かった。デイヴは既に死んでお
り、その場にいたプルス
ナーとウェスの撃ち合いとなった。ウェスはプルスナーを仕留めたが肩を撃たれてしまった。
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ウェスとコロラドはウィンスローの家へ逃げ込んだ。ウェスは列車強盗のお尋ね者であること
を白状したが、恩義を感じているフレッドは匿うことを約束してくれ、コロラドが負傷したウェスを手当てした。
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夜中、保安官の一群がやって来た。恋人のいる故郷へ帰りたい一心のジュリー・アンが賞金
欲しさに通報しようとして、止めに入ったコロラドと取っ組み合いになった。ジュリー・アンの本心を知ったウェスは、コロラドと一緒にウィンスロー家を後に
した。
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アジトに戻ったウェスはコロラドにプロポーズした。礼拝堂の修道士が、‟死の谷”を越えれ
ばメキシコで、神父のいる教会があると教えてくれた。2人はメキシコに向かうことにしたが…。
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『死の谷』 予告編動画
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◆ 主な出演者など
ウェス・マックィーン役 … ジョエル・マク
リー
コロラド・カーソン役 … ヴァージニア・メイヨ
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ジュリー・アン役 … ドロシー・マローン
フレッド・ウィンスロー役 … ヘンリー・ハル |
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・娯楽映画の傑作を数多く手がけたラオール・ウォルシュ監督が、自身のヒット作
『ハイ・シェラ』(1941年/主演:ハンフリー・
ボガート)を西部劇にリメイクした作品。
・『ハイ・シェラ』は、ジャック・パランス、シェリー・ウィンタース主演『俺が犯人だ!』(1955
年/監督:スチュアート・ハイスラー)として再リメイクもされている。
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◆ ピッ
ク・アップ … ヴァージニア・メイヨ
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Virginia Mayo 1920-2005 (アメリカ)
・1920年、ミズーリ州生れ。6歳の時から叔母にダンスを習い、高校を卒業するとダンサーになり、1941年にはブロードウェイの舞台にも立った。
・独立系の映画製作者サミュエル・ゴールドウィンと契約し、1943年に銀幕デ
ビューした。
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・ダニー・ケイ主演の『ダ
ニー・ケイの天国と地獄』(1945年)のヒロイン役に抜擢され、以後、ダニー・ケイ主演の『ダニー・ケ
イの牛乳屋』(1946年)、
『虹を掴む男』(1947年)、『ヒット・パレード』(1948
年)でもヒロイン役を務め、人気女優となった。
・ダンスで鍛えた脚線美でセクシー女優として人気を博したが、『我
等の生涯の最良の年』(1946年)、『白
熱』(1949年)等では悪女を演じ、演技の幅の広さも示して見せた。
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『我等の生涯の最良の年』
(1946年)
ダナ・アンドリュースと |
『虹を掴む男』(1947
年)
ダニー・ケイと |
・1949年、ワーナー・ブラザーズ社に移籍。『死の谷』のラオール・ウォルシュ監督に気
に入られ、同監督の『白熱』(1949年)、『艦長ホレーショ』(1951
年)、『死の砂塵』(1951年)でもヒロインに起用された。 |
・私生活では、彼女の名前が初めてクレジットされた作品『Jack London
』(1943年)の主役だったマイケル・オシェイと1947年に結婚。1人娘を授かり、彼が1973年に
亡くなるまで連れ添った。
・2005年、84歳で他界。 |
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