20世紀・シネマ・パラダイス
エリッヒ・フォン・シュトロハイム
Erich Von Stroheim
1885-1957 (オーストリア/アメリカ)
◆
代表作
大いなる幻影
La Grande Illusion
(1937年/フランス)
サンセット大通り
Sunset Boulevard
(1950年/アメリカ)
◆
特異な風貌で個性派俳優として異彩を放つ
< 監督:シュトロハイムのページ >
自身の監督作品『アルプス颪』
(1919年)
、
『愚かなる妻』
(1922年)
、『結婚行進曲』
(1928年)
では主役も務めたシュトロハイム。予算を度外視し、監督としては干されてしまったが、以後、その特異な風貌と演技力で、個性派俳優として異彩を放った。
・MGM社で『お気に召すまま』
(1932年)
に出演。
ルイス・B・メイヤー
と
アービング・G・タルバーグ
は、シュトロハイムの起用に難色を示したが、シュトロハイム監督作品のファンだった
グレタ・ガルボ
が擁護して出演が実現した。
(右の写真)『お気に召すまま』 グレタ・ガルボと
・シュトロハイムを尊敬していた
ジャン・ルノワール
監督に招かれ、
『大いなる幻影』
(1937年)
に出演。
撮影中は色々と注文をつけ、監督やスタッフを困らせたそうだが、映画の中で は圧倒的な存在感を発揮し、俳優としての代表作となった。ルノワール監督は自伝の中で、シュトロハイムへの感謝の言葉を綴っている。
(左の写真) 『大いなる幻影』
・そのままフランスに留まり、数本の映画に出演。『マカオ』
(1942年)
では、日本人スターの
早川雪洲
とも共演した。
(右の写真)『マカオ』早川雪洲(左)と
・第2次世界大戦が勃発し、帰米。
ボリス・カーロフ
から役を引き継ぎ、ブロードウェイの舞台劇「毒薬と老嬢
」(1942年)
にも出演した。
(左の写真)ボリス・カーロフ(左)と
・ドイツのロンメル将軍を演じた『熱砂の秘密』
(1943年)
では、本物ソックリの軍服を用意させ、完全主義者ぶりを垣間見せた。
ビリー・ワイルダー
監督から、「
偉大な監督
」と言われたシュトロハイムは、「
最も偉大な監督だ
」と言い返したとか。
(右の写真) 『熱砂の秘密』
・ワイルダー監督の
『サンセット大通り』
(1950年)
では、因縁浅からぬ
グロリア・スワンソン
に仕える執事を演じ、アカデミー賞助演男優賞にノミネートもされた。
(左の写真)『サンセット大通り』
・オールスター・キャストのフランス映画『ナポレオン』
(1955年)
で、樂聖ベートーベンを演じたのが最後となった。
(右の写真) 『ナポレオン』
・晩年はフランスで暮らし、レジオンドヌール勲章を授けられた。
・1957年
、
71歳
で他界。
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