1944年3月24日〜25日にかけて、ドイツ空軍の第3捕虜収容所から76名の捕虜が脱走した。
映画では、76名の中に2名の米国人 (ヒルツとヘンドリー)がいて、逃走中に2名(エリックとコリン) が射殺されているが、実際は米国人は含まれておらず、脱走に成功した3名以外の73名は生きたまま捕まり、その内の50名が処刑 (3月29日〜4月12日にかけて) された。
戦後、50名の処刑に携わったゲシュタポの将校の大半が、軍事裁判によって死刑に処せられた。
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* ロジャー・ブッシェル (イギリス) … 大脱走の指南役で、リチャード・アッテンボローが扮した
‟ビッグX”ことバートレットのモデルとなった人物。3月29日に処刑された。
ドイツ軍は脱走者の捜索に約半年間、延べ500万人を費やしたと言われて
いる。
映画の最後でジェームズ・ドナルド扮するラムゼイ大佐が評している通り、「後方かく乱は成功だった 」 が、価値があったかどうかは 「考え方次第 」 だと言える。
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* ポール・ブリックヒル (オーストラリア) … 「大脱走」(1950年出版)の著者。第3捕虜収容所でトンネル掘りの作業に従事していたが、閉所恐怖症に陥り、その後は偽造グループのセキュリティを担当していた。脱走には参加出来なかったが、76名中50名が命を落としているので、結果として、閉所恐怖症になったことが幸いしたと言える。
元々ジャーナリストで、収容所内の出来事を、発見されないように小さな紙にメモ書きしていたという。
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* ウォリー・フラッディ (カナダ) …
兵役に就く前、鉱山で働いていたこともあり、脱走用トンネルの設計・掘削で中心的な役割を担った‟トンネル王”の1人。
大脱走決行の数日前に他の収容所に移されたため、大脱走
には参加出来ず、結果として、ポール・ブリックヒルと同様に命拾いしたと言える。
ジョン・スタージェス監督に請われ、映画の技術顧問を務めた。
(左の写真は映画のセットで撮影されたもの) |
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