20世紀・シネマ・パラダイス
ウィリアム・パウエル
William Powell
1892-1984 (アメリカ)
◆
代表作
影なき男
The Thin Man
(1934年/アメリカ)
巨星ジーグフェルド
The Great Ziegfeld
(1936年/アメリカ)
襤褸と宝石
My Man Godfrey
(1936年/アメリカ)
結婚クーデター
Libeled Lady
(1936年/アメリカ)
夕陽特急
After the Thin Man
(1936年/アメリカ)
ミスタア・ロバーツ
Mister Roberts
(1955年/アメリカ)
◆
名探偵役で人気スターに
・
1892年
、ペンシルベニア州生れ。高校卒業後、ニューヨークのアメリカン・アカデミー・オブ・ドラマティック・アーツで2年間演技を学び、20歳の時にプロの役者となった。
25歳の時にブロードウェイ・デビューし、
ジョン・バリモア
主演の『シャーロック・ホームズ』
(1922年)
で銀幕デビューを果たした。
『ロモラ』(1924年)
リリアン・ギッシュ
と
『ネバダ男』(1927年)
セルマ・トッド
、
ゲーリー・クーパー
(右)と
◆
名探偵ファイロ・ヴァンス
推理作家S・S・ヴァン・ダインの小説を映画化した『カナリア殺人事件』
(1929年)
で、主人公の名探偵ファイロ・ヴァンスに扮し、人気スターとなった。名探偵ファイロ・ヴァンスはシリーズ化され、『グリーン家の惨劇』
(1929年)
、『ベンスン殺人事件』
(1930年)
、『ケンネル殺人事件』
(1933年)
が製作された。
『カナリア殺人事件』(1929年)
ルイーズ・ブルックス
と
『グリーン家の惨劇』
(1929年)
フローレンス・エルドリッジ(中央)、
ジーン・アーサー
と
『ベンスン殺人事件』
(1930年)
ナタリー・ムーアヘッドと
『ケンネル殺人事件』
(1933年)
メアリー・アスター
と
・1915年に最初の結婚をしたが、1930年に離婚した。
『街の紳士』(1931年)
キャロル・ロンバード
と
『成金ボーイ ニューヨークへ行く』
(1931年)
キャロル・ロンバードと
・1931年、『街の紳士』、『成金ボーイ ニューヨークへ行く』で共演したキャロル・ロンバードと再婚。元々、ロンバードがパウエルの大ファンだったそうだが、26ケ月で離婚した。
◆
‟影なき男” 名探偵ニック・チャールズ
1934年、MGM社と契約。名探偵ニック・チャールズに扮した『影なき男』
(1934年)
が大ヒットし、アカデミー賞主演男優賞にノミネートもされた。‟影なき男”はシリーズ化され、『夕陽特急』
(1936年)
、『第三の影』
(1939年)
、『影なき男の影』
(1941年)
、『風車の秘密』
(1945年)
、『影なき男の息子』
(1947年)
と合計6作が製作された。
『影なき男』
(1934年)
マーナ・ロイ
と
『夕陽特急』
(1936年)
マーナ・ロイと
『第三の影』
(1939年)
マーナ・ロイと
『影なき男の影』
(1941年)
マーナ・ロイと
『風車の秘密』
(1945年)
マーナ・ロイと
『影なき男の息子』
(1947年)
右から、
ディーン・ストックウェル
、
キーナン・ウィン、マーナ・ロイと
・‟影なき男”シリーズで彼の妻を演じたマーナ・ロイとは他にも8作、合計14作品で共演。映画史に残る人気コンビとなった。
『巨星ジーグフェルド』(1936年)
マーナ・ロイと
『結婚クーデター』(1936年)
マーナ・ロイと
・『襤褸と宝石』
(1936年)
で2度目のアカデミー賞主演男優賞候補に。相手役の元妻キャロル・ロンバードは、出演が決まっていた
『オペラハット』
を撮影開始直前に辞退して本作に出演した。
(右の写真)『襤褸と宝石』 キャロル・ロンバードと
・1936年は、『巨星ジーグフェルド』、『襤褸と宝石』、『結婚クーデター』、『夕陽特急』が大ヒット。翌1937年のドル箱 (マネー・メイキング)スター・ベストテンで第5位にランクインし、キャリアの絶頂期を迎えていた。
・『無軌道行進曲』
(1935年)、
『結婚クーデター』
(1936年)
で共演した
ジーン・ハーロー
と恋愛関係になっていたが、彼女が1937年に26歳の若さで急逝。
パウエルは、自身が亡くなるまでハーローの墓前に献花し続けていたという。
(左の写真)ジーン・ハーローと
・1940年、女優のダイアナ・ルイスと3度目の結婚。パウエルが亡くなるまで44年間連れ添った。
(右の写真)3番目の妻ダイアナ・ルイスと
・非ミュージカル劇ではブロードウェイ最長のロングラン公演記録を保持しているメガ・ヒット作の映画化作品『
Life with Father
』
(1947年/監督:
マイケル・カーティス
)
で、11年ぶり3度目のアカデミー賞主演男優賞候補となったが、受賞は逃した。
(左の写真)『
Life with Father
』
アイリーン・ダン
と
・63歳の時に出演した『ミスタア・ロバーツ』
(1955年)
を最後に引退。
『百万長者と結婚する方法』(1953年)
マリリン・モンロー
(中央)、
ローレン・バコール
と
『ミスタア・ロバーツ』
(1955年)
ヘンリー・フォンダ
(右)と
・
1984年
、
91歳
で他界。
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