20世紀・シネマ・パラダ イス

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Mrs. Miniver

       ミニヴァー夫人
        Mrs. Miniver
        監督:ウィ リアム・ワイラー
        (1942年/アメリカ)
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  アカデミー賞作品賞を受賞した戦意高揚映画

 1939年の夏のイギリス。
 建築家の夫クレムとの間に3人の子宝に恵まれたミ ニヴァー夫人
 ロンドンへショッピングに出かけた夫人は素敵な帽子を見つけ、少々値が張るが、我慢できずに購入してしまった。
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Mrs._Miniver-2  住まいのあるベルハムの駅に着いた夫人は、駅長のバラードに呼び止められた。聞けば、彼が丹精込めて栽培したバラの花に、「ミニヴァー夫人」 と名付けたいとの申し出だった。夫人は快く承諾した。
 妻が出かけている間に、夫のクレムは車を買い替えてしまった。
 その日の晩。夫も妻も、高い買い物をしてしまったことを相手にどう切り出そうかと苦心していたが、いざ打ち明けてみると、お互い様ということで一件落着 した。ミニヴァー家は、ある程度の贅沢ができる中産階級の家庭であり、家族仲良く平和に暮らしていた。
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Mrs._Miniver-4  オックスフォード大学で寮生活を送っている長男のヴィンが、夏休みで帰省してきた。久しぶりに親子でティー・タイムを過ごしているところへ、名家の娘キャロル・ベルドンが訪ねて来た。
 駅長が自慢のバラを 「ベルドン杯」 に出品するとの噂を耳にして、出品を止めるように駅長を説得する役目をミニヴァー夫人に頼みに来たのだった。
 花の品評会 「ベルドン杯」 のバラ部門で優勝することを誇りとしているベルドン夫人に気兼 ねして、過去30年、他にバラを出品する者はいなかったのだった。キャロルの依頼は祖母を優勝させてあげたいとの気遣いからであったが、ヴィンがベルド ン家の特権階級の意識を批判したことで、2人は口論を始めてしまった。 Mrs._Miniver-3-2
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 しかし、その夜のダンス・パーティーで、ヴィンとキャロルは昼間の口論の事をお互いに詫 び、急接近していった。

  

Youtube  『ミニヴァー夫人』 予告編


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  主な出演者など

Mrs._Miniver-22  ・ミニヴァー夫人役  … グリア・ガースン
 ・クレム・ミニヴァー役 … ウォ ルター・ピジョン
 ・キャロル役 … テレサ・ラ イト
 ・ヴィン役 … リチャード・ネイ
 ・ベルドン夫人役 … メイ・ウィッティ
 ・駅長バラード役 … ヘンリー・トラヴァース

 ・映画製作中にアメリカが第二次世界大戦に参戦したことにより、脚本がより親イギリス、反 ドイツの内容に書き換えられ、ミニヴァー夫人がドイツ兵の顔を平手打ちするシーンなどが追加撮影された。

 ・アメリカでその年最大のヒット作となり、イギリスでも大ヒット。チャーチル首相は、「駆逐艦の一艦隊よりも勝利に貢献した」 と称賛した。
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Mrs._Miniver-24  ・ラストの牧師の台詞、「戦争は民間人もまき込む…。自由のために闘おう… 」 は、雑誌 「TIME」 などに掲載され、映画だけでなく活字としても戦意高揚に一役買ったが、この台詞はワイラー監督と牧師役のヘンリー・ウィルコクソン自らが脚本の書き換えに 携わった。

 ・アカデミー賞では11部門でノミネート。特に演技賞では、4部門全てで候補者を出した史 上 初の作品となった。
 ・主演男優賞候補 (ウォルター・ピジョン) ・主演女優賞候補 (グリア・ガースン)
 ・助演男優賞候補 (ヘンリー・トラヴァース) ・助演女優賞候補 (テレサ・ライト、メイ・ウィッティ)


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 ・自身5度目のノミネートで初受賞したウィリアム・ワイラー監督は、本作撮影後にアメリカ 陸 軍航空隊に入隊し、ドキュメンタリー映画の撮影現場で受賞を知らされたが、『ミニヴァー夫人』 での戦争の描き方が甘いものであったとのコメントを残している。
  (左の写真) 『ミニヴァー夫人』 撮影時のワイラー監督とグリア・ガースン

 ・タイトル・ロールの第一候補はノーマ・シアラーだったが、3人の子持ち役に難色を示して辞退。代りに抜擢されたグリ ア・ガースンがオスカーを受賞し、一躍MGM社の看板女優に躍り出た。
 アカデミー賞授 賞式では史上最長のスピーチをして、以後、受賞スピーチに時間制限が設けられるきっかけを作ってしまったことも語り草に。
  (右の写真) アカデミー賞授賞式でのグリア・ガースンとジェー ムズ・キャグニー
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 ・テレサ・ライトとメイ・ウィッティの新鋭とベテランがダブル・ノミネートされた助演女優 賞は、テレサ・ライトに軍配が上がった。彼女はこの年、『打撃王』 での演技で主演女優賞にもノミネートされていた。
 


 ・アカデミー賞作品賞、監督賞、主演女優賞(グリア・ ガースン)、助演女優賞(テレサ・ライト)、脚色賞、撮影賞(白黒部門)の6部門で受賞し た他、製作者のシドニー・フランクリンにはアービング・G・タルバーグ賞が贈呈された。
   (右の写真) アカデミー賞授賞式にて。左から、ヴァン・ヘフリン、グリア・ガースン、
    テレサ・ライト、ジェームズ・キャグニー
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  * シドニー・フランクリン … 『哀愁』 (1940年)、『心の旅路』 (1942年)、『キュリー夫人』 (1943年)、『子鹿物語』 (1946年)等の製作者

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 ・本作公開の翌年、グリア・ガースンと彼女の息子を演じた12歳年下のリチャード・ネイが 結婚 してファンを驚かせたが、47年に離婚した。
 リチャード・ネイは 『ミニヴァー夫人』 がデビュー作で、その後も役者として活動したが、1960年代に投資カウンセラーに転じた。
  (左の写真) 『ミニヴァー夫人』 撮影時。グリア・ガースンとリチャード・ネイ

 ・8年後に続編の 『The Miniver Story 』 が製作されたが、大きな成功を収めることは出来なかった。
  (右の写真) 『The Miniver Story 』 グリア・ガースンとウォルター・ピジョン
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